「一日葬と直葬、結局どっちを選べばいいの?」——費用を抑えたい気持ちと、後悔したくない気持ちの間で、答えが出せずに立ち止まっていませんか。
近年、通夜や告別式を省略する葬儀が増えていますが、ネットで調べても情報がバラバラで、違いがよくわからないという声は少なくありません。
2024年の全国調査によると、一日葬・直葬を選ぶ人は合わせて約20%。一方で、直葬を選んだ方の約6割が何らかの後悔を感じているというデータもあります。
この記事では、一日葬と直葬の違いを費用・割合・流れ・満足度まで徹底比較し、「どんな人にどちらが向いているか」を具体的に解説します。
読み終える頃には、あなたの状況に合った葬儀形式が明確になり、後悔のない判断ができるようになるはずです。
結論からお伝えすると、両者の最大の違いは「告別式の有無」。費用だけで選ぶと後悔するケースが多いため、この記事でメリット・デメリットをしっかり確認してください。
一日葬と直葬(火葬式)の違い

一日葬と直葬は、どちらも従来の葬儀を簡略化した形式ですが、告別式の有無という大きな違いがあります。
一日葬とは
一日葬は、通夜を行わず告別式のみを1日で行う葬儀形式です。「ワンデイセレモニー」とも呼ばれます。
通常の葬儀では通夜と告別式を2日間に分けて行いますが、一日葬では告別式のみを行い、その後火葬へと進みます。僧侶による読経や焼香など、宗教的な儀式は行われる点が直葬との大きな違いです。
一日葬の特徴:
- 通夜を省略するが告別式は行う
- 僧侶による読経・焼香などの宗教儀式あり
- 参列者を限定しないため、友人・知人も参列可能
- 所要時間は約5時間程度
直葬(火葬式)とは
直葬は、通夜も告別式も行わず、火葬のみを行う形式です。「火葬式」とも呼ばれます。
安置場所から直接火葬場へ移動し、火葬炉の前で短時間のお別れ(10分程度)をした後、火葬を行います。法律で定められた最低限の手続きのみを行うため、葬式をしない選択肢として位置づけられています。
直葬の特徴:
- 通夜・告別式ともに行わない
- 火葬場でのお別れは約10分程度
- 参列者はごく近い親族のみが一般的
- 所要時間は約1〜2時間程度
なお、直葬でも希望すれば僧侶を呼んで読経してもらうことは可能です。安置施設や火葬直前に読経を依頼するケースもあります。ただし、葬儀社のプランによっては対応していない場合もあるため、事前に確認が必要です。
一日葬と直葬の比較表
| 項目 | 一日葬 | 直葬(火葬式) |
|---|---|---|
| 通夜 | なし | なし |
| 告別式 | あり | なし |
| 宗教儀式 | あり(読経・焼香など) | 基本なし(オプションで可) |
| 所要時間 | 約5時間 | 約1〜2時間 |
| 平均費用 | 87.5万円 | 42.8万円 |
| 参列者 | 親族・親しい人(制限なし) | ごく近い親族のみ |
| お別れの時間 | 告別式でゆっくり可能 | 火葬前の約10分程度 |
一日葬・直葬の割合|葬式をしない人はどれくらい?
葬儀形式別の割合(2024年全国調査)
2024年の全国調査によると、葬儀形式の選択割合は以下のとおりです。
| 葬儀形式 | 割合 | 特徴 |
|---|---|---|
| 家族葬 | 50.0% | 親族など親しい人だけで行う葬儀 |
| 一般葬 | 30.1% | 関係者に広く訃報を伝え参列者を募る葬儀 |
| 一日葬 | 10.2% | 通夜がなく告別式のみで1日で行う |
| 直葬 | 9.6% | 葬儀を行わず火葬のみ |
葬式をしない人の割合(直葬)は約10%ですが、通夜を省略する一日葬を含めると**約20%**が従来の葬儀形式を選んでいません。
一日葬・直葬が増えている背景
一日葬・直葬が増加している主な要因:
- 🏠 核家族化・地域コミュニティの希薄化:近隣との繋がりが弱まり、大規模な葬儀の必要性が低下
- 👴 高齢化社会:退職後15〜20年以上経過して亡くなるケースが増え、現役時代の人間関係が希薄に
- 💰 経済的な理由:葬儀費用を抑えたいというニーズの増加
- 🕐 時間的制約:遠方からの参列者や喪主の負担軽減
- 🙏 価値観の変化:形式より故人らしさを重視する傾向
特に都市部では一日葬や直葬の割合が高い傾向にあり、地方では伝統的な葬儀形式が好まれることが多いです。
一日葬・直葬の費用比較|火葬のみの費用相場
葬儀形式別の平均費用
葬儀費用は「葬儀本体の費用」「飲食費」「返礼品費」「お布施」の4つの要素で構成されます。2024年の全国調査による平均総費用(お布施除く)は以下のとおりです。
| 葬儀形式 | 平均費用 | 一般葬との差額 |
|---|---|---|
| 一般葬 | 161.3万円 | ― |
| 家族葬 | 105.7万円 | −55.6万円 |
| 一日葬 | 87.5万円 | −73.8万円 |
| 直葬 | 42.8万円 | −118.5万円 |
一日葬の費用内訳
一日葬の平均費用は87.5万円で、一般葬と比較すると**約46%**の費用削減が可能です。
通夜を省略することで削減できる主な費用:
- 💴 式場使用料:1日分の会場費が不要
- 🍱 通夜振る舞い:飲食費が不要
- 👥 人件費:スタッフの拘束時間が短縮
- 🧊 ドライアイス代:安置期間の短縮
ただし、祭壇や棺などの基本的な費用は必要です。参列者の人数によっても費用は変動するため、複数の葬儀社から見積もりを取ることをおすすめします。
直葬(火葬式)の費用内訳
直葬の平均費用は42.8万円で、一般葬の約4分の1、一日葬の約半分の費用で済みます。
直葬費用の主な内訳:
- 🚗 遺体搬送費:寝台車費用
- 🏠 安置費用:ドライアイス代を含む
- ⚰️ 棺・骨壷:基本的な用品
- 🔥 火葬場使用料:地域により異なる
- 🚐 霊柩車:火葬場への搬送
多くの葬儀社が20万円台からの直葬プランを提供していますが、以下の場合は追加費用が発生します。
追加費用が発生するケース:
- 高級な棺を選択した場合
- 安置日数が長くなった場合
- 個室での安置や付き添い安置を希望する場合
- 火葬場での別室使用を希望する場合
- 僧侶による読経を依頼する場合
地域によって火葬場の利用料に差があり、都市部ほど高額になる傾向があります。特に東京では公営火葬場が少ないことも火葬料金が高い要因です。
香典についての注意点
一般葬では弔問客から香典をいただけるため、葬儀費用の一部を補填できます。調査によると香典の平均受取額は約70万円ほどです。
一日葬・直葬での香典の扱い:
| 項目 | 一日葬 | 直葬 |
|---|---|---|
| 香典 | 受け取ることが多い | 辞退するケースが多い |
| 香典返し | 必要 | 不要(辞退の場合) |
| 費用への影響 | 一部補填できる | 全額自己負担 |
直葬では参列者が少なく香典を辞退するケースが多いため、費用を香典で補填できません。一方で香典返しの手配が不要になるメリットもあります。
故人の交友関係が広く、多くの方から香典をいただける可能性がある場合は、直葬にすることで逆に経済的負担が増える可能性も考慮しましょう。
一日葬・直葬の流れ
一日葬の流れ
一日葬は通夜を省略し、1日で葬儀を完了します。所要時間は約5時間が目安です。
| 時間帯 | 内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 午前 | 納棺・小規模な儀式 | 約1時間 |
| 午後 | 告別式(読経・焼香・弔辞など) | 約1〜2時間 |
| 告別式後 | 出棺・火葬場へ移動 | 約30分 |
| 火葬場 | 火葬・待機 | 約1時間 |
| 火葬後 | 収骨(お骨上げ) | 約20分 |
遠方からの参列者が何泊もする必要がなく、平日に葬儀を行う場合の休暇取得の負担も軽減できます。
一日葬では精進落とし(会食)を行うかどうかは喪主の判断に委ねられます。行わない場合は、参列者や僧侶へのお礼を別途考えておきましょう。
直葬(火葬式)の流れ
直葬は告別式を行わず、火葬のみを行います。所要時間は約1〜2時間です。
| 順序 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 死亡確認・死亡診断書の受け取り | 医師から発行 |
| 2 | 葬儀社による遺体の搬送 | 病院から安置場所へ |
| 3 | 安置(自宅または安置施設) | 法律上24時間以上必要 |
| 4 | 納棺 | 仏衣への着替え・花入れなど |
| 5 | 出棺・火葬場へ移動 | 霊柩車で搬送 |
| 6 | 火葬場での短時間のお別れ | 約10分 |
| 7 | 火葬 | 約1時間 |
| 8 | 収骨(お骨上げ) | 約20分 |
直葬を選ぶ主な理由:
- 経済的に葬儀を行う負担が大きい場合
- 身寄りが少ない、または身寄りがない場合
- 故人が「人に知らせずに逝きたい」と希望していた場合
- 宗教的な儀式を望まない場合
一日葬・直葬のメリット・デメリット
一日葬のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 費用を約46%削減できる | 菩提寺の了承が必要な場合がある |
| 遺族・参列者の時間的負担が軽減 | 通夜に参列したかった人への配慮が必要 |
| 遠方からの参列者の宿泊が不要 | 地域によっては理解されにくい |
| 告別式で故人を偲ぶ時間は確保できる | 準備期間が短く慌ただしくなりやすい |
| 満足度は64.3%と比較的高い | 日程が合わず参列できない人が出やすい |
直葬のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 費用を約75%削減できる | お別れの時間が短い(約10分) |
| 身体的・精神的負担が最小限 | 後悔する人の割合が高い(約6割) |
| シンプルで準備の手間が少ない | 菩提寺に納骨を拒否される可能性 |
| 故人の意向を尊重しやすい | 親族・知人から理解を得にくい |
| 香典返しの手間がない(辞退の場合) | 後日弔問の対応が増える可能性 |
葬儀形式別の満足度
2024年の全国調査では、葬儀形式別の満足度も調査されています。
| 葬儀形式 | 満足度 | 後悔なしの割合 |
|---|---|---|
| 家族葬 | 72.8% | 過半数 |
| 一般葬 | 66.3% | 過半数 |
| 一日葬 | 64.3% | 過半数 |
| 直葬 | 61.9% | 38.7% |
直葬は他の形式と比べて満足度がやや低く、「満足していない」「やや満足していない」と回答した方の割合が**10.9%**と最も高くなっています。
直葬で後悔する主な理由:
- 通夜をしなかったこと
- 火葬場でのお別れの時間が短かったこと
- 故人を十分に偲ぶ時間が取れなかったこと
一日葬・直葬はどんな人に向いている?
一日葬が向いている人
一日葬は以下のような方におすすめです。
こんな人におすすめ:
- ✅ 費用は抑えたいが、宗教儀式はきちんと行いたい
- ✅ 遠方から参列する人が多く、宿泊の負担を減らしたい
- ✅ 高齢の参列者が多く、2日間の参列は体力的に厳しい
- ✅ 通夜と告別式で参列者がほぼ同じになる
- ✅ 仕事の都合で長期間休めない
- ✅ 故人との最後のお別れの時間はしっかり確保したい
直葬が向いている人
直葬は以下のような方に選ばれています。
こんな人におすすめ:
- ✅ とにかく費用を最小限に抑えたい
- ✅ 故人が「葬儀は不要」と希望していた
- ✅ 身寄りが少ない、または身寄りがない
- ✅ 宗教的な儀式にこだわりがない
- ✅ 故人が高齢で社会的な繋がりが限られていた
- ✅ シンプルに静かに見送りたい
一日葬と直葬、迷ったときの判断ポイント
どちらを選ぶか迷った場合は、以下の4つのポイントで判断しましょう。
① 故人の意向 生前に葬儀について何らかの希望を伝えていたか確認します。エンディングノートや遺言書があれば参考にしましょう。
② 親族の意向 どのようにお別れしたいか、親族の意見をまとめます。反対意見がある場合は丁寧に説明し、理解を得ることが重要です。
③ 参列者の範囲 故人の友人や知人にもお別れの機会を設けたい場合は一日葬、ごく近い身内だけで見送りたい場合は直葬が適しています。
④ 予算 用意できる金額と、香典による補填の見込みを考慮して判断します。
一日葬・直葬を選ぶ際の注意点
菩提寺への確認が必要
故人の家系に菩提寺・檀那寺がある場合は、事前に住職への相談が必須です。寺院によっては、正式な葬儀を行わなければならないとしている場合があります。
特に直葬では宗教儀式を省略するため、菩提寺との関係性によっては後々のお付き合い(法要や納骨)に影響することも考えられます。
納骨を拒否されるケースと対処法
直葬を選んだ場合、菩提寺から「供養が十分ではない」として納骨を拒否されるケースがあります。
納骨を拒否された場合の対処法:
- 🔹 菩提寺に改めて供養を依頼:戒名をいただき、追善供養を行うことで納骨を認めてもらえる場合がある
- 🔹 宗旨宗派不問の霊園を選ぶ:民営霊園や公営墓地は宗教を問わないことが多い
- 🔹 永代供養墓・納骨堂を検討:寺院墓地以外の選択肢も視野に入れる
菩提寺への納骨を希望する場合は、直葬でも読経供養を依頼し、菩提寺のご住職にお願いすることをおすすめします。
親族・関係者への説明
一日葬や直葬に対して懐疑的な反応を示す人もいます。特に昭和時代の伝統的な葬儀を経験してきた年配の方は、「ちゃんと葬儀をしないのは故人に失礼」と感じることがあります。
後からクレームのような声が入ることで遺族がつらい思いをするケースもあるため、事前に親族や故人と親しかった方々の意向を確認しておくと安心です。
後日弔問への対応
一日葬や直葬では、参列できなかった人からの後日弔問が増える可能性があります。特に故人が現役世代で社会的な繋がりが多い場合、自宅への弔問対応に時間を取られることも考えられます。
後日弔問が負担になりそうな場合は、以下の対応を検討しましょう。
対応策:
- 後日「お別れの会」や「偲ぶ会」を開催する
- 弔問の日時を指定して対応する
- 書面やメールでお礼と報告を送る
後悔しないための検討ポイント
葬儀形式を選ぶ際のチェックポイント:
- ✅ 故人の意向:生前に希望を伝えていたか
- ✅ 参列者の範囲:広く知らせるか、親しい人だけに限定するか
- ✅ 予算:用意できる金額に合わせた葬儀プランを選ぶ
- ✅ 宗教・宗派:菩提寺や檀那寺との関係
- ✅ 地域性:地域の習慣や近隣との繋がり
- ✅ お別れの時間:故人を十分に偲ぶ時間が確保できるか
費用だけで判断せず、故人や遺族の状況に合った葬儀形式を選ぶことが大切です。
よくある質問
- 一日葬と火葬式(直葬)の違いは何ですか?
-
告別式の有無が最大の違いです。一日葬は通夜を省略しますが告別式(読経・焼香など)は行います。直葬は告別式も行わず、火葬のみを行う形式です。
- 葬式をしない人の割合はどれくらいですか?
-
2024年の全国調査によると、直葬(火葬式)の割合は9.6%です。通夜を省略する一日葬(10.2%)を含めると、約20%が従来の葬儀形式を選んでいません。
- 直葬(火葬のみ)の費用相場はいくらですか?
-
直葬の平均費用は42.8万円です。葬儀社によっては20万円台からのプランも提供されていますが、安置日数や棺のグレード、読経の依頼により追加費用が発生する場合があります。
- 一日葬・直葬で後悔することはありますか?
-
直葬を選んだ方の約6割が何らかの後悔を感じています。主な理由は「通夜をしなかったこと」「お別れの時間が短かったこと」です。一方、一日葬では過半数が「後悔していることはない」と回答しています。
- 直葬でも僧侶に読経してもらえますか?
-
希望すれば可能です。安置施設や火葬直前に読経を依頼できます。ただし、葬儀社のプランによっては対応していない場合もあるため、事前に確認しましょう。
- 直葬を選ぶと納骨できないことがありますか?
-
菩提寺によっては「供養が十分ではない」として納骨を拒否されるケースがあります。菩提寺への納骨を希望する場合は、事前に相談するか、直葬でも読経供養を依頼することをおすすめします。
まとめ
一日葬と直葬は、どちらも従来の葬儀を簡略化した形式ですが、告別式の有無という大きな違いがあります。一日葬は通夜を省略しつつ告別式で故人を偲ぐ時間を確保でき、直葬は火葬のみを行う最もシンプルな形式です。
費用面では一般葬の161.3万円に対し、一日葬は87.5万円、直葬は42.8万円と大きな差があります。ただし、直葬は後悔する人の割合が高く、菩提寺への納骨を拒否されるケースもあるため、費用だけでなくメリット・デメリットを十分に理解した上で選択することが重要です。
葬儀社との打ち合わせでは複数のプランを比較検討し、故人と遺族にとって納得できる形の葬儀を計画しましょう。
【参考情報】

