墓じまいの費用はいくら?相場と内訳・代行の依頼先・無料で頼める霊園まで解説

「墓じまいはいくらかかるのか」と調べると、30万円から150万円まで金額がばらばらで、何が適正なのか分からなくなります。幅があるのは、お墓の広さと立地、そして遺骨をどこに移すかで費用が大きく動くからです。この記事では、実際にかかった費用の分布と内訳、代行を頼める4つの依頼先(改葬先の霊園が無料で手続きを代行する例を含む)、費用を抑える方法、離檀料などのトラブル対処法、決断時の罪悪感との向き合い方を解説します。

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目次

墓じまい費用の相場と内訳|総額は50〜130万円が目安

墓じまいの総額は50〜130万円程度が目安です。ただし、合祀タイプの永代供養墓を選べば30万円台に収まることもあり、新しく墓石を建てれば150万円を超えます。

実際にかかった費用の分布(鎌倉新書「第4回 改葬・墓じまいに関する実態調査」)

お墓の情報サイト「いいお墓」を運営する鎌倉新書が、墓じまいの経験者・検討者733人に行った調査では、実際にかかった費用は次のように分布しています。

費用帯割合
30万円以下16.8%
31〜70万円31.3%
71〜150万円37.9%
151万円以上14.0%

約半数(48.1%)が70万円以下で済ませている一方、151万円以上かかった人も14.0%います。この差を生むのが改葬先の選択です。同じ調査では、大変だったことの上位が「改葬先選び」38.8%、「役所での手続き」32.3%でした。厚生労働省の衛生行政報告例では、改葬件数は令和6年度に176,105件と過去最多を更新しており、墓じまいは毎年17万件超が行われている手続きです。

費用の内訳は3つ(墓石撤去・行政手続き・改葬先)

墓じまいの費用は、大きく3つに分かれます。

費用項目相場内容
お墓の撤去・処分費用20〜50万円墓石の解体・撤去・処分、整地、遺骨の取り出し、閉眼供養のお布施、離檀料(寺院墓地の場合)
行政手続きの費用無料〜数千円改葬許可証の取得に必要な証明書の手数料
改葬先の費用5万円〜100万円超永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨・手元供養など

撤去・処分費用が中核で、改葬先の費用が総額を最も大きく動かします。

行政手続きの費用は無料〜数百円

改葬許可申請の手数料は無料の自治体が多数で、有料の自治体でも200〜300円程度です(京都市・福井市は無料、越前市は300円など)。別途、現在の墓地の管理者に発行してもらう埋蔵証明書に400〜1,500円程度の手数料がかかる霊園があります。合計しても数千円に収まります。

📋 改葬許可証の取得に必要な書類:

  • 埋蔵(埋葬)証明書:現在のお墓の管理者が発行
  • 受入証明書:新しい納骨先が発行
  • 改葬許可申請書:現在のお墓がある市区町村役場に提出

書類の準備に手間はかかりますが費用は最も安い部分で、自分で行えば代行費用を丸ごと節約できます。

お墓の広さ別シミュレーション(1㎡/2㎡/3㎡以上)

撤去費用はお墓の面積に比例するため、広さ別に総額を試算すると次のようになります。

費用項目1㎡2㎡3㎡以上
墓石撤去・処分10〜15万円20〜30万円30〜45万円
閉眼供養のお布施3〜10万円3〜10万円3〜10万円
離檀料(寺院墓地の場合)3〜20万円3〜20万円3〜20万円
行政手続き〜数千円〜数千円〜数千円
改葬先10〜20万円(合祀永代供養)20〜50万円(納骨堂)30〜100万円(個別永代供養)
合計約26〜65万円約46〜110万円約66〜175万円

改葬先は広さごとの代表例で、1㎡でも個別型を選べば高くなり、3㎡でも合祀型なら安くなります。

墓石の撤去・処分費用|1㎡あたり10〜15万円が相場

墓石の撤去・処分費用は、墓じまいで最初に発生し、最も大きな割合を占める費用です。

撤去費用の内訳と㎡単価

費用項目相場
墓石の解体・撤去(1㎡あたり)10〜15万円
墓石の処分費(1トンあたり)3,000〜5,000円
墓地の整地費用撤去費用に含まれることが多い
遺骨の取り出し(1柱あたり)3〜5万円

2㎡のお墓なら墓石撤去だけで20〜30万円が目安です。解体・運搬・処分・整地には重機と専門技術が必要なため、個人では行えません。

撤去費用が高くなる立地・墓石の条件

同じ広さでも、次の条件では相場を大きく上回ります。

💰 撤去費用が高くなる条件:

  • 山間部や斜面にあり重機が入れない(手作業になり20〜50万円以上になることがある)
  • 駐車場から遠い、階段が多いなどアクセスが悪い
  • 大型で高さがある、パーツが多い、特殊な形状の墓石
  • 基礎が岩盤や固い地盤の上にある

平坦でアクセスの良い都市部の公営墓地は逆に安くなる傾向があります。見積もりは必ず現地調査つきで取ってください。

閉眼供養のお布施と離檀料の相場(宗派による違い:浄土真宗は遷仏法要)

墓石を撤去する前には、僧侶に依頼して閉眼供養(魂抜き・お性根抜き)を行うのが一般的です。お布施の相場は3〜10万円で、法的な義務はありませんが多くの人が故人への区切りとして行っています。お布施の考え方はお布施の相場はいくら?葬儀・法要の適正金額と費用を抑えるコツも参考にしてください。

宗派による違いもあります。浄土真宗は「故人は亡くなるとすぐに仏になる」という教えから墓石に魂が宿るとは考えず、閉眼供養ではなく**遷仏法要(御移徙)**を行います。お布施の相場は3〜10万円で他宗派と大きな差はありません。真言宗など他の宗派では、手続きも費用も一般的な墓じまいと変わりません。

寺院墓地から改葬する場合は、檀家をやめる際に離檀料を渡すのが慣習です。お布施として3〜5万円程度を渡すケースが多く、長く付き合いのある寺院や格式の高い寺院では10〜20万円になることもあります。離檀料には法的な根拠がなく支払い義務はありませんが、円満に進めるためには事前に住職と相談し、双方が納得する金額で合意することが大切です。檀家制度の仕組みは菩提寺と檀那寺の違いとは?意味や確認方法、檀家制度について完全解説で解説しています。

改葬先の費用|選ばれている納骨先と相場の比較

墓じまいの総額を左右するのが、取り出した遺骨をどこに納めるかです。

墓じまい後の改葬先は「合祀・合葬墓」が43.2%で最多、8割が継承者不要型

鎌倉新書の同じ調査によると、改葬先として選ばれた納骨先は次のとおりです。

改葬先割合
永代供養墓(合祀・合葬墓)43.2%
樹木葬24.1%
一般墓(別のお墓)14.3%
納骨堂13.3%

継承者を必要としない改葬先を選んだ人が約8割で、かつて主流だった一般墓への引っ越しは14.3%にとどまります。合祀・合葬墓は前回調査の30.9%から大きく増え、「子どもに負担を残さない」ことが改葬先選びの中心になっています。

改葬先5タイプの費用比較表(永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨・手元供養)

改葬先費用相場特徴と注意点
永代供養墓(合祀型)10〜20万円他の遺骨と一緒に埋葬。管理費不要。後から遺骨を取り出せない
永代供養墓(個別型)30〜100万円一定期間は個別に安置し、その後合祀
納骨堂10〜100万円屋内で天候に左右されない。ロッカー型10〜30万円、仏壇型・自動搬送式50〜100万円
樹木葬10〜100万円合祀型10〜30万円、個別型30〜80万円。参拝方法に制限がある場所も
散骨(海洋散骨)2.5〜30万円合同プラン2.5〜10万円、個別プラン10〜30万円。参拝する場所は残らない
手元供養数万円〜ミニ骨壷1〜5万円、アクセサリー加工3〜10万円。自分の死後の扱いを決めておく必要がある

遺骨を分骨して、一部を永代供養墓に、一部を手元供養にするなど組み合わせる人も増えています。各タイプの詳しい費用と選び方は、納骨堂の費用相場は80万円 形式別10万〜150万円の違いと年間維持費を解説、樹木葬の費用相場は5万円〜150万円 料金差が生まれる理由とタイプ別の内訳を解説、散骨の費用相場【最安2.7万円から】種類別の料金と安く抑える方法、手元供養とは?費用相場、方法、法律、デメリット(やめたほうがいい理由)まで解説をご覧ください。

墓じまい代行の依頼先4類型と料金|霊園の無料代行から専門業者まで

墓じまいは石材店の手配、役所の手続き、寺院との調整が絡むため、多くの人が代行を利用します。代行というと有料の専門業者を思い浮かべがちですが、依頼先は4つあり、無料で手続きを代行してくれる霊園もあります。

依頼先は4つ:専門業者・石材店・葬儀社・改葬先の霊園

依頼先代行してくれること料金条件
墓じまい代行専門業者撤去業者の手配、遺骨の取り出し、行政手続きのサポート、閉眼供養の僧侶手配、改葬先の手配有料。㎡単価のパック制で1㎡前後14〜20万円〜改葬先の指定なし(自社の永代供養・散骨パックを併売)
石材店墓石の解体・撤去・処分・整地(本業)、遺骨の取り出し、書類作成の補助有料。1㎡あたり10万円前後〜寺院・霊園に指定石材店があればその店に限られる
葬儀社提携石材店の手配、行政手続きの提出代行、遺骨の受け渡し、永代供養先の紹介有料。イオンライフは1㎡未満195,800円〜改葬先の指定なし
改葬先の霊園・寺院受入証明書の発行に加え、霊園によっては撤去業者の手配、改葬許可申請の提出、僧侶の手配、返還届の提出まで無料(その霊園に改葬する場合)〜有料その霊園・寺院に納骨することが条件

墓じまい8ステップのどこを誰が代行するか(対応表)

墓じまいは次の8ステップで進みます。誰にどこまで任せられるかを一覧にしました。

スクロールできます
ステップ自分で行う専門業者・葬儀社石材店改葬先の霊園(無料代行の例)
① 親族で協議○―――
② 墓地管理者に連絡○△(サポート)―○
③ 改葬先の決定○△(自社の供養先を紹介)――(自らが改葬先)
④ 撤去業者の決定○○○(自らが業者)○
⑤ 改葬許可申請○○(書類作成サポート・提出代行)△(補助)○
⑥ 閉眼供養寺院に依頼△(僧侶手配は有料オプション)―△(地域・宗派により手配)
⑦ 墓石撤去―○○○(業者手配)
⑧ 改葬先に納骨○△(改葬先手配は有料)―○

なお改葬許可申請を第三者に任せる場合は、申請者本人の委任状が必要です(大阪市や京都市など、多くの自治体が委任状と代理人の本人確認書類で受け付けています)。報酬を得て申請書の作成・提出を代理できるのは行政書士に限られるため、業者の多くは「書類作成のサポート」「提出の代行(使者)」という形をとっています。

改葬先の霊園が手続きを無料代行する例(北海道中央霊園)と「先に霊園へ聞く」判断順序

北海道三笠市の北海道中央霊園は、他の墓地からこの霊園に改葬する人を対象に、墓じまいと改葬の手続きを無料で代行しています。代行範囲は、墓地解体の見積もりと撤去業者の手配、改葬許可申請書の役所への提出、閉眼式の僧侶手配(地域・宗派により制限あり)、改葬許可証の受け取り、工事届と墓地返還届の提出までで、上の8ステップでは②④⑤⑦に当たります。利用者は開始当初の年50件ほどから、この5年で2倍ほどに増え、道外からの利用もあります。

霊園にとって改葬の受け入れは新しい契約になるため、こうしたサービスが成り立ちます。すべての霊園にあるわけではなく、費用非表示や有料の霊園もありますが、改葬先の候補が決まったら、有料の代行業者に頼む前に「手続きを手伝ってもらえるか」を霊園に聞くのが費用を抑える判断の順序です。

🔍 依頼先を決める順序:

  • 改葬先の候補となる霊園・寺院に、手続き代行の有無と範囲を確認する
  • 代行がない、または改葬先が霊園以外(散骨・手元供養)なら、専門業者・葬儀社・石材店の見積もりを比較する
  • 寺院墓地に指定石材店がある場合は、撤去はその石材店、手続きは別の依頼先という組み合わせも検討する

全国対応の代行専門業者の料金比較(㎡別)

全国対応の主な代行サービスの料金(税込)です。基本料金には墓石の解体・撤去・処分、遺骨の取り出し、整地が含まれるのが一般的で、行政手続きの扱いはサービスによって異なります。

サービス名(運営)〜1㎡1〜2㎡2〜3㎡3〜4㎡特徴
お墓の引越し&墓じまいくん(鎌倉新書)159,000円〜(0〜2㎡)同左253,000円〜286,000円〜行政手続きサポート・寺院との交渉を含む。永代供養パック220,000円
イオンのお葬式(イオンライフ)195,800円〜239,800円〜283,800円〜316,800円〜行政手続きの提出代行、遺骨取り出し(2名まで)を含む
ミキワの墓じまい(サンテレーヴ)181,500円〜214,500円〜258,500円〜要確認行政手続き代行を含む。銀行振込の後払い
わたしたちの墓じまい(フーフー)143,000円209,000円275,000円割安設定行政手続き代行44,000円〜、離檀代行132,000円〜は別料金
遺骨供養ウーナ(法月)144,000円〜要確認197,000円〜231,000円〜撤去工事・処分・整地が基本料金

同じ2㎡でも基本料金に5万円以上の差があり、行政手続きや供養が含まれるかで実質の総額はさらに変わります。料金は改定されるため、見積もり時に必ず確認してください。

📌 基本料金に含まれないことが多い項目:

  • 閉眼供養の僧侶手配(3〜10万円程度)
  • 改葬先の手配(永代供養墓・散骨などのパック)
  • 山間部・斜面など立地条件が悪い場合の追加作業
  • 遺骨の洗浄や新しい骨壷への移し替え

代行業者の選び方と格安業者の注意点

✅ 業者選びで確認すること:

  • 最低3社から現地調査つきの見積もりを取り、同条件で比較する
  • 「一式」ではなく作業ごとの内訳が明示されているか
  • 追加料金が発生する条件が事前に文書で示されているか
  • 設立年数・実績件数・利用者の口コミ
  • お墓のある地域が対応エリアか、地域による追加料金がないか
  • 完了後の証明書や作業写真の提供などアフターフォロー

「格安」「激安」をうたう業者は、基本料金の作業範囲が最低限で、後から追加請求が積み上がるケースがあります。業界の相場は1㎡あたり10〜18万円程度で、これを大幅に下回る料金には理由があると考え、価格より追加料金の透明性と実績で選んでください。

墓じまいの費用を抑える方法

複数業者の見積もりを比較する(チェックポイント)

同じ条件でも業者によって20万円以上の差が出ることがあります。内訳を細かく出してもらい、次の点を比較してください。

📋 見積もりのチェックポイント:

  • 墓石撤去の㎡単価は相場(10〜15万円)の範囲か
  • 遺骨の取り出し費用と行政手続きのサポートは含まれているか
  • 閉眼供養や離檀料は別途か
  • 追加料金が発生する条件は何か

自治体の助成・返還制度の実態(撤去費助成は太田市・浦安市など少数、都立霊園は合葬施設の使用料が無料)

墓じまいの補助金として複数の自治体名が紹介されることがありますが、墓石の撤去費用そのものを助成している自治体はごく少数です。多くは使用料の一部還付や納骨前の区画の返還が対象です。

自治体・霊園制度の内容
群馬県太田市(八王子山公園墓地)墓石撤去工事の実費、上限20万円を助成
千葉県浦安市(浦安市墓地公園)墓石撤去費を上限15万円助成。市内の合葬式墓地への改葬は費用負担なし
千葉県市川市(市川市霊園)原状回復費の助成制度があるが、年度予算に達すると受付終了(本年度は終了済み)
東京都(都立霊園)「施設変更制度」で承継者のいない使用者が合葬埋蔵施設・樹木型合葬埋蔵施設に移る場合、変更後の使用料と管理料が無料。墓石の撤去(原状回復)は使用者負担
茨城県水戸市(公園墓地)返還協力金の対象は納骨歴のない区画のみ。納骨済みの墓じまいは対象外
大阪府泉大津市・岡山県玉野市など返還時に既納使用料の一部を還付(使用年数により10〜50%)

制度は年度ごとに変わり、受付期間や予算枠があります。お墓のある自治体の墓地管理部門に早めに確認してください。詳細は太田市の墓石撤去費用助成金、浦安市の墓所返還者等支援事業、都立霊園の施設変更制度(東京都公園協会)の各ページで確認できます。

自分でできる手続きは代行を外す

代行業者はオプションを含めたパッケージを提案することがありますが、すべてが必要とは限りません。

🔧 自分で対応して費用を減らせる部分:

  • 行政手続き:自分で行えば代行費用(行政書士なら4万円〜、一式代行なら10万円超も)が不要
  • 閉眼供養:菩提寺に直接依頼すれば僧侶手配のオプション料金が不要
  • 遺骨の洗浄・骨壷の移し替え:必須ではない

改葬先の霊園が無料代行してくれるなら、それを使うのが最も確実です。

改葬先の選び方で総額を調整する

改葬先の費用は5万円から100万円超まで幅があり、総額を最も動かせる部分です。

💰 費用を抑えられる改葬先:

  • 合祀型の永代供養墓:10〜20万円
  • 海洋散骨の合同プラン:2.5〜10万円
  • 手元供養:数万円〜

合祀型は後から遺骨を取り出せないため、家族の意向を確認したうえで決めてください。分骨して一部を手元供養に残す方法も、費用と気持ちの両方を満たす選択肢です。

墓じまいの費用トラブルと対処法

高額な離檀料を請求された場合(離檀料は宗門の定めではない)

寺院墓地からの改葬で、離檀料として数百万円を請求されたという事例が報道されています(700万円を求められた例もあります)。「これまでお世話になった分」として法外な金額を求められる、支払わないと埋蔵証明書を出さないと言われる、といったケースです。

離檀料には法的な根拠がなく、あくまでお礼のお布施です。曹洞宗の宗務庁は、宗門として離檀料の取り決めはなく、檀信徒から離檀料を受け取るよう指導もしていない、当事者間の話し合いで決まるものだという見解を公表しています。離檀料は宗派が定めた制度ではないことを前提に交渉してください。

💡 高額請求への対処の順序:

  • 冷静に話し合い、お布施として妥当な金額(数万円〜20万円程度)での合意を目指す
  • 話し合いで解決しなければ、宗派の本山・宗務庁に相談する
  • それでも解決しなければ弁護士に相談し、第三者を介して交渉する

埋蔵証明書の発行を拒否された場合

離檀料の未払いなどを理由に、住職が埋蔵証明書の発行を拒むことがあります。この場合は、改葬許可申請の際に市区町村役場に事情を説明してください。自治体によっては、墓地管理者の証明に代わる方法を案内してもらえることがあります。並行して、宗派の本山や弁護士への相談も検討します。

見積もりより高額になった場合

「墓石が想定より大きかった」「重機が入れなかった」を理由に、完了後に追加請求されるケースです。現地調査なしの見積もりや、作業範囲の限定された格安見積もりで起こりやすい問題です。

⚠️ 追加請求されたときの対応:

  • 追加費用の内訳を書面で提示してもらう
  • 追加作業が本当に必要だったか、他の業者にセカンドオピニオンを求める
  • 不当な請求なら支払いを保留し、消費生活センターや弁護士に相談する

予防策は、現地調査つきの見積もりを複数取り、追加料金の条件を契約前に文書で確認することです。

墓じまいを決めるときの罪悪感・後悔と親族の反対

「先祖にうしろめたい」は自然な感情(調査データと80歳女性の生前墓じまいの例)

費用や手続きの前に、多くの人が引っかかるのが「先祖の墓を壊していいのか」という気持ちです。鎌倉新書の調査では、墓じまいの検討をやめた理由として「解体費用が高い」22.2%に次いで**「先祖にうしろめたい」が11.1%**を占め、前回より増えています。墓じまいを妨げる要因が、親族の反対といった外側の事情から、本人の内面の葛藤に移ってきていることを示すデータです。

実例を一つ紹介します。北海道岩見沢市に住む80歳の女性は、17年前に亡き夫が建てたお墓を、自分の代で片付けました。夫は生前、自分が入るお墓を毎日のように見に来るほど大切にしていた場所です。それを自分の手で解体することに「申し訳ない」「忍びない」と涙をこぼしながらも、3姉妹の長女で子どもも娘だけという状況で、両親から継いだお墓と夫のお墓の両方を守る負担を娘や孫に残したくないと決断しました。改葬先は永代供養の霊園で、費用は永代供養を含めて約150万円。「永代供養という言葉に、将来子どもに面倒をかけないという安心感がある。結果的にはほっとしている」と話しています。

罪悪感はお墓を大切にしてきた人ほど強く感じるもので、薄情さの表れではありません。墓じまいを「供養を別の形で続けること」と捉え直す入口になります。

墓じまいをした人の後悔・満足のデータ

実際に墓じまいをした人がどう感じているかを見ると、後悔よりも安心が上回っています。

調査結果
まごころ価格ドットコム(墓じまい経験者200人)「良かった」70.5%+「まあ良かった」25.0%で95.5%が肯定。後悔した人は0%。理由の上位は「遠方で墓参りが困難」56%、「継承者がいない」44.5%、「家族に負担をかけたくない」44.5%。43.5%は墓参りの頻度が増えた
ライフドット(お墓を管理する764人)墓じまい実施者の満足度86.8%
わたしたちの墓じまい(樹木葬経験者100人)26.0%が「後悔・少し迷いがある」。理由は親族との認識の違い、アクセスの不便さ、想定外の費用

満足している人の共通点は、参拝しやすい改葬先を選んだこと、家族と合意してから進めたことです。逆に後悔の理由は改葬先の立地と親族との認識のずれに集中しており、費用の安さだけで改葬先を決めないことが後悔を防ぎます。お参りに行けないことへの罪悪感は墓参り行かないとどうなる?スピリチュアルな影響と罪悪感を解消する方法でも扱っています。

親族の反対にあったときの進め方

「先祖代々の墓を残したい」という親族がいる場合、反対を押し切って進めると後々まで関係にしこりが残ります。

🤝 理解を得るための伝え方:

  • 管理負担や継承者不在など、墓じまいを考えた具体的な理由を説明する
  • 改葬先での供養方法を示し、先祖への供養は続くことを伝える
  • 今のお墓を維持した場合に誰がいつまで負担するのかを、費用と年数で具体的に話す
  • 費用の分担案を先に用意する
  • 写真や動画で今のお墓の記録を残すことを提案する

早い段階で話し合いを始め、故人と近しかった親族には特に丁寧に説明することが、合意への近道です。

自分の代で片付ける「生前墓じまい」という終活

上の80歳女性のように、存命中に自分でお墓を片付ける生前墓じまいを選ぶ人がいます。終活協議会の調査(860人)では「自分の代でお墓を終わらせてもよい」に61.1%が共感し、希望する供養先も家墓23.3%に対して永代供養・樹木葬・散骨・手元供養の合計が53.5%でした。一方で、墓じまいの費用を具体的に知らない人が88.6%にのぼります。

生前に自分で行う利点は、費用と改葬先を自分の意思で決められること、寺院や親族との交渉を自分で済ませられること、残された家族が「壊してよかったのか」と悩まずに済むことです。おひとり様の終活全体についてはおひとり様の身じまいとは?準備すべきことと費用相場を徹底解説で解説しています。

まとめ

墓じまいの費用は総額50〜130万円が目安で、実際に行った人の約半数は70万円以下で済ませています。内訳は墓石の撤去・処分(1㎡あたり10〜15万円)、行政手続き(無料〜数千円)、改葬先の費用(5万円〜100万円超)の3つで、総額を最も動かすのは改葬先の選択です。

費用を抑えるには、改葬先の霊園に手続き代行の有無を先に聞き、そのうえで専門業者・葬儀社・石材店の現地調査つき見積もりを3社以上比較することです。自治体の撤去費助成は少数で、多くは使用料の還付にとどまります。離檀料は宗派の定めではなく支払い義務もないため、高額請求には本山や弁護士への相談で対応できます。

先祖にうしろめたいという気持ちは自然なもので、実際に墓じまいをした人の大半は「良かった」と答えています。家族と合意し、参拝しやすい改葬先を選ぶことが後悔しない条件です。

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墓じまいの費用に関するよくある質問

墓じまいの費用は誰が負担しますか?

一般的にはお墓の承継者(祭祀承継者)が負担します。承継者が決まっていない場合は親族で話し合い、複数人で分担するケースも多くあります。

墓じまいに補助金は使えますか?

墓石の撤去費用を助成する自治体は太田市(上限20万円)・浦安市(上限15万円)など少数で、多くの自治体の制度は使用料の一部還付です。都立霊園は合葬施設へ移る場合の使用料が無料になりますが、撤去費用は自己負担です。

離檀料は必ず払わなければいけませんか?

法的な支払い義務はなく、お礼のお布施として数万円を渡すのが一般的です。高額な請求を受けた場合は、宗派の本山や弁護士に相談してください。

墓じまいにはどのくらいの期間がかかりますか?

一般的に1〜3ヶ月程度です。親族との相談や寺院との話し合いが長引くと半年以上かかることもあるため、余裕を持って計画してください。

改葬先の霊園に手続きを無料で代行してもらうには?

改葬先の候補となる霊園に、契約を前提に「墓じまいの手続き代行があるか」を直接問い合わせます。北海道中央霊園のように撤去業者の手配から改葬許可申請の提出まで無料で行う霊園がありますが、範囲は霊園ごとに異なります。

墓じまいの費用が払えない場合はどうすればいいですか?

分割払いに対応する代行業者を選ぶ、親族で分担する、改葬先を合祀型や散骨にして総額を抑えるといった方法があります。どうしても工面できない場合は自治体の福祉窓口に相談してください。

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参考サイト・出典:

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