樹木葬の費用相場は5万円〜150万円 料金差が生まれる理由とタイプ別の内訳を解説

樹木葬の費用や種類

樹木葬を検討しているものの、5万円から150万円以上という価格の幅に戸惑っていませんか?同じ「樹木葬」なのになぜこれほど料金に差があるのか。適正価格が分からず不安を感じるのは当然のことです。

樹木葬の費用は、埋葬方法(合祀型・集合型・個別型)、環境タイプ(里山型・公園型・庭園型)、立地条件によって大きく変動します。さらに2025年には一部施設で10%程度の値上げが実施されるなど、契約タイミングによっても数十万円の差が生まれる可能性があります。

この記事は、株式会社鎌倉新書の2025年最新調査データ(全国平均67.8万円)や全国主要施設の料金情報(2025年11月時点)など、信頼性の高い情報源に基づいて作成されています。

この記事では、樹木葬のタイプ別の費用相場料金差が生まれる理由費用を抑える7つの具体的な方法、実際の施設料金事例、他の供養方法との費用比較を解説します。

この記事を読むことで、樹木葬の適正価格が理解でき、ご自身の予算と希望に合った選択肢を見つけることができます。契約タイミングや立地条件の見直しなど、実践的な費用削減方法を知ることで、同じサービス内容でも数十万円単位で費用を抑えることも可能です。

正しい知識を持つことで、後悔のない選択と賢い費用削減の両方を実現できます。

目次

樹木葬の費用相場はいくら?

樹木葬の全国的な平均購入価格は67.8万円(株式会社鎌倉新書「第16回 お墓の消費者全国実態調査」2025年)ですが、選ぶタイプや埋葬方法、立地条件によって実際の費用は5万円から150万円以上と大きく変動します。通常のお墓(墓石)と比べると値段は安く抑えられる傾向にありますが、高級なタイプや都心部の霊園では高額になることもあります。

全国平均と価格帯の全体像

樹木葬は現在、日本の埋葬方法の約半数(48.5%)を占めるまでに普及しています。前年の調査(2024年)では平均63.7万円でしたが、約6.4%上昇し67.8万円となりました。この価格上昇の背景には、石材費や人件費の高騰に加え、より質の高いサービスや付加価値を提供する施設が増えたことがあります。

消費者がお墓を選ぶ際に重視する点:

  • 継承者不要(36.7%)
  • 金額(41.9%)
  • お墓の種類(49.4%)

樹木葬は「承継者に負担をかけない」という明確な目的と、「費用を抑えられる」という経済的メリットから選ばれています。

埋葬方法別の費用相場

樹木葬の費用は主に埋葬方法によって大きく変わります。

合祀型(合葬型)

費用相場:5万円〜30万円

合祀型の特徴:

  • 骨壺から遺骨を取り出し、他の遺骨と一緒に埋葬する
  • 最も費用が安く、年間管理費が不要なことが多い
  • 一度埋葬すると遺骨を取り出せない

集合型

費用相場:10万円〜60万円

集合型の特徴:

  • 骨壺や骨袋に入れたまま個別に安置され、シンボルツリーは共有する
  • 比較的リーズナブルで、他の遺骨と混ざらない
  • 個別のシンボルや区画はない

個別型(家族型)

費用相場:20万円〜150万円

個別型の特徴:

  • 契約者や家族ごとに個別の区画と樹木・プレートを設置する
  • 一般墓に近い形でお参りできる
  • 樹木葬の中では最も高額

環境タイプ別の費用相場

樹木葬が設けられる環境によっても費用傾向が異なります。

里山型

費用相場:30万円〜50万円程度

里山型の特徴:

  • 自然豊かな山林などを利用し、自然に近い形で埋葬する
  • 費用が抑えられる
  • アクセスが不便な場合がある

公園型

費用相場:50万円〜70万円程度

公園型の特徴:

  • 霊園や寺院の敷地内に、公園のように整備された区画を設ける
  • 里山型より都市部に近く、アクセスが良い

庭園型(ガーデニング型)

費用相場:70万円〜100万円以上

庭園型の特徴:

  • 限られたスペースに、庭園のように美しく整備する
  • 都市部に多く、アクセスが良い
  • 費用は高めになる傾向がある

運営主体による費用の違い

樹木葬を提供する霊園の運営主体によっても費用が異なります。

📊 運営主体による特徴:

  • 寺院墓地:手厚い供養が期待できるが、檀家条件やお布施について確認が必要
  • 公営霊園:費用は比較的安価(約20%安い傾向)だが、数が少なく抽選や居住要件がある場合も
  • 民営霊園:数が多く利用しやすいが、費用は立地や内容により幅広い

樹木葬にかかる費用の内訳

樹木葬を選ぶ際、総額だけでなく費用の内訳を理解することが重要です。樹木葬の費用は一般的に以下の要素で構成されており、プランや霊園によって含まれる内容が異なります。

永代使用料(霊園使用料)

永代使用料は、遺骨を埋葬するための土地や区画を使用する権利に対する費用です。樹木葬の中心となる費用項目で、タイプによって価格が大きく異なります。

📋 埋葬タイプ別の永代使用料相場:

  • 合祀型:5万円〜20万円
  • 個別型:15万円〜60万円
  • 家族型:20万円〜80万円程度

永代使用料には、墓地の区画代だけでなく、シンボルとなる樹木やガーデニング整備費用なども含まれることがあります。

埋葬料

埋葬料は、遺骨を実際に埋葬する際の手数料です。一般的な相場は1万円〜3万円程度ですが、永代使用料に含まれているケースも多くあります。複数名の遺骨を埋葬する場合は、それぞれに費用が発生することもあるため、契約前に確認が必要です。

年間管理費

年間管理費は、霊園の共有スペースや施設の維持管理にかかる費用です。

💡 年間管理費に関する重要事項:

  • 一般的な相場は年間2千円〜2万5千円程度
  • 合祀型では不要なことが多い
  • 個別型でも永代供養契約の場合は不要なケースがある
  • 個別安置期間中のみ発生する場合も多い
  • 生前契約の場合は、埋葬されるまでの間だけ管理費がかかることがある

近年は年間管理費が不要な樹木葬も増えているので、長期的なコスト計算の際には要確認事項です。公営霊園は比較的管理費が安価な傾向があります。

銘板彫刻料

銘板彫刻料は、故人の名前や没年月日などを刻むプレート(銘板)の設置・彫刻にかかる費用です。

📝 銘板彫刻に関する費用情報:

  • 費用相場は1万円〜20万円と幅広い
  • 銘板の材質やデザインによって費用が変動
  • オプション扱いの場合が多い
  • 家族型では複数名分の名前を刻む場合がある

銘板は樹木葬のタイプによって、個別に設置される場合と共同の記念碑に名前が刻まれる場合があります。

追加費用が発生するケース

契約内容に含まれない追加費用が発生する場合もあります。

⚠️ 考慮すべき追加費用の例:

  • 法要料:読経や供養の際のお坊さんへの費用
  • お布施:寺院が管理する樹木葬の場合に必要なことがある
  • 改葬手続き費用:他の墓地から移す場合の手続き費用
  • 年忌法要費用:定期的な供養を依頼する場合の費用
  • 納骨ごとの埋葬料:追加の納骨(夫婦・家族用)には1霊あたり3万〜5万円かかることも

契約時には含まれる内容と別途必要になる費用を明確に確認しておくことで、後から予想外の出費が発生するのを防げます。

樹木葬の費用を安くする方法

樹木葬は一般的なお墓に比べて費用を抑えられる傾向がありますが、選び方によって5万円から150万円以上まで大きな差があります。予算内で最適な樹木葬を選ぶための重要なポイントを紹介します。

埋葬方法の選択で大幅に変わる

最も効果的な費用削減方法は埋葬方法の選択です。

合祀型(5万円〜30万円)は最も経済的です。他の方の遺骨と一緒に埋葬されますが、個別型(20万円〜150万円)と比べて大幅に費用を抑えられます。ただし、一度埋葬すると後から取り出せないことを理解しておきましょう。

立地条件を見直す

都心部の霊園は地価の影響で高額になりがちです。郊外の里山型を選ぶと、景観も良く費用も抑えられることが多いですが、アクセスの便を確認しておくことが重要です。将来のお参りのしやすさも考慮してください。

個別安置期間を調整する

個別で安置する期間が長いほど費用が高くなります。例えば33年の個別安置より13年の個別安置を選ぶと費用を抑えられます。実際の例では、同じ施設でも個別安置期間の違いで10万円以上の差があることも。

シンボルや銘板をシンプルにする

個別の樹木や高級なプレートではなく、共有のシンボルツリーシンプルな銘板を選ぶことで費用を抑えられます。銘板彫刻料は1万円〜20万円と幅があるため、シンプルなものを選ぶのが賢明です。

公営霊園を検討する

可能であれば公営霊園を検討しましょう。民営霊園より費用が安い傾向がありますが、抽選や居住要件があることも。例えば都立小平霊園の樹林型合葬埋蔵施設は12.8万円と比較的安価です。ただし、人気が高く2025年度の募集では平均倍率14.4倍という高倍率になっています。

複数施設を比較する

必ず複数の霊園・施設から見積もりを取り、内容と費用を総合的に比較しましょう。同じ価格帯でも含まれるサービスが異なることがあるため、総額での比較が重要です。

契約タイミングを考慮する

市場調査によると、2025年10月に一部の霊園で平均10%程度の値上げが実施されています。料金改定前のタイミングで契約することで、費用を抑えられる可能性があります。ただし、急いで決める必要はなく、複数の施設を見学してから判断することをおすすめします。

💡 注意点:費用だけで選ぶと後悔する可能性もあるため、実際に現地を訪問して環境や管理状況を確認し、家族・親族とも相談した上で決めることをおすすめします。

全国の樹木葬施設の料金事例

以下は全国の主要な樹木葬施設の料金事例です(2025年11月現在)。タイプや立地によって価格差があるため、複数の施設を比較検討することをおすすめします。

東京・関東エリア

関東エリアは都市型の樹木葬が多く、立地の良さから比較的価格帯が高めですが、様々な価格帯の選択肢があります。

光明霊園(東京都八王子市)

料金:個別型12万円〜、合祀型18万円〜 年間管理費:なし 特徴:永代供養型の樹木葬で、比較的アクセスが良く自然環境も豊か。10万円台からのリーズナブルな価格設定が魅力。

雷不動真蔵院(東京都江戸川区)

料金:12万円〜 年間管理費:なし 特徴:2024年7月に開園した新しい施設。都心にありながらリーズナブルな価格設定。個別型の永代供養付樹木葬として提供。

磯子フラワージュ(神奈川県横浜市)

料金:28万円(1名用)〜160万円(最大5〜6名用) 年間管理費:なし 特徴:ガーデニング型の美しい庭園が特徴の樹木葬墓地。個別型のプランのみで、利用人数に応じた細かい料金設定。

成田市樹木葬霊園「絆」(千葉県成田市)

料金:38.5万円(1名用)、55万円(2名用) 年間管理費:なし 特徴:家族葬のせいなん(株式会社成南協心社)が運営。個別型のプランのみで明瞭な価格設定。

樹木葬「縁の杜」(東京都葛飾区)

料金:37万円〜 年間管理費:3,000円(契約者存命中のみ、最後の納骨者埋葬後は不要) 特徴:勝養寺の境内にあり、好評につき新区画も開苑。墓所・墓石セットプランを提供。

関西エリア

関西エリアでは様々なタイプの樹木葬が展開されており、価格帯も幅広いのが特徴です。

パークフォレスト大阪(大阪府松原市)

料金:合祀型13万円、個別型24万円〜、デザイン墓石樹木葬120万円〜 年間管理費:合祀・個別埋葬タイプは不要、デザイン墓石樹木葬は4,000円〜8,600円 特徴:幅広い価格帯の選択肢を用意。大規模駐車場や複数駅からの無料送迎バス完備でアクセス良好。

ふれあいの杜 天空(大阪府大東市)

料金:合祀型5万円(販売休止中)、個別型30万円〜88.4万円 年間管理費:非承継タイプは料金に含む、承継タイプは5,500円〜9,900円 特徴:大阪メモリアルパーク内に位置し、景観の良さが特徴。多様なプラン構成で選択肢が豊富。

岩手・東北エリア

東北エリアは自然豊かな環境を活かした里山型の樹木葬が特徴で、費用も比較的リーズナブルです。

祥雲寺(知勝院)(岩手県一関市)

料金:50万円(2体目以降は1体につき10万円追加) 年間管理費:8,000円(契約者存命中のみ) 特徴日本初の樹木葬を1999年に始めた歴史ある寺院。自然の雑木林を活かした里山型で、自然への回帰を重視するシンプルな埋葬方法を採用。

施設選びのポイント

樹木葬施設を選ぶ際の重要な視点:

  • アクセスの良さ:定期的に訪問できる距離かどうか
  • 環境・景観:自然環境や眺望の良さ
  • 費用内訳:初期費用だけでなく管理費や追加費用の有無
  • 埋葬タイプ:合祀型か個別型か、個別安置期間はどの程度か
  • 供養サービス:法要やメモリアルサービスの内容と費用
  • 最新情報の確認:料金改定の可能性があるため、契約前に公式サイトで最新情報を確認

樹木葬と他の供養方法の費用比較

樹木葬の費用相場を検討する際は、他の供養方法と比較することで選択の参考になります。それぞれの方法には特徴があり、費用だけでなく継承の必要性や管理の手間なども考慮して選ぶことが大切です。

供養方法費用相場特徴
樹木葬5万円〜150万円墓石不要、永代供養が多い、自然回帰の理念
一般墓100万円〜350万円墓石建立、承継者が必要、定期的な管理が必要
納骨堂40万円〜100万円屋内施設、多様なタイプ、天候に左右されない
合祀墓・合葬墓5万円〜30万円最も安価な納骨方法、他の遺骨と共同埋葬、取り出し不可
海洋散骨3万円〜30万円遺骨を海へ散布、墓を持たない、自然回帰志向
手元供養数千円〜50万円自宅で保管、最終的な供養方法が別途必要

一般墓との比較

一般墓(墓石墓)は伝統的な供養方法ですが、初期費用が高額で墓石代や石材加工費、墓地使用料などで100万円を超えることが一般的です。また継承者が必要で、年間の管理費も発生します。樹木葬は墓石が不要なため、一般墓の約半分以下の費用で抑えられるケースが多くあります。

納骨堂との比較

納骨堂は都市部を中心に人気が高まっており、屋内施設のため天候に左右されずお参りできるメリットがあります。費用は樹木葬より若干安い場合もありますが、立地や仕様によって大きく変わります。永代供養型が多い点は樹木葬と共通しています。

合祀墓・合葬墓との比較

合祀墓・合葬墓最も経済的な選択肢で、他の遺骨と一緒に埋葬されるため個別性はありませんが、永代供養が基本で管理の手間もかかりません。樹木葬の合祀型も同様の価格帯(5万円〜30万円)ですが、樹木葬では自然の中で眠れるという付加価値があります。

海洋散骨との比較

海洋散骨自然志向の強い方に選ばれる供養方法で、専門業者に依頼すると3万円程度から可能です。ただし、お参りの場所が特定できない点は考慮が必要です。樹木葬は散骨と異なり、墓埋法に則った正式な埋葬であり、お参りできる場所が明確にあります。

手元供養との比較

手元供養は遺骨を手元に置くミニ骨壷やペンダントなどの方法で、初期費用は比較的安価ですが、将来的には別の供養方法を検討する必要があることがほとんどです。

樹木葬が選ばれる理由

樹木葬はこれらの中間的な位置づけで、自然回帰の理念お参りのしやすさ費用面でのバランスが取れていることが特徴です。特に個別型の樹木葬は一般墓に近い形でお参りできながらも費用を抑えられる点が魅力となっています。

消費者調査でも、樹木葬を選ぶ理由として「継承者不要」(36.7%)、「金額」(41.9%)が上位を占めており、墓の承継に不安を抱える方や費用を抑えたい方に広く支持されています。

樹木葬のメリット

樹木葬は従来の墓石型のお墓と比較して、多くのメリットがあります。自然志向の高まりとともに、現在では埋葬方法の約半数を占めるまでに普及しています。

継承者不要で子孫に負担をかけない

樹木葬の多くは永代供養墓として設計されているため、将来的な墓じまいや管理の心配が少ない点が大きなメリットです。継承者がいなくても、霊園側が責任を持って供養を続けてくれるため、子孫に負担をかけることなく安心して選ぶことができます。

これは高齢化や少子化が進む現代社会において、非常に重要な要素となっています。実際、消費者調査では「継承者不要」が樹木葬を選ぶ理由の上位(36.7%)を占めており、墓じまい後の改葬先としても選ばれることが多いのはこのためです。

墓石と比べて費用を抑えられる

樹木葬は一般的な墓石と比較して費用を抑えられることが多いです。特に合祀型は5万円〜30万円程度と、一般墓(100万円〜350万円)に比べて大幅に費用を抑えることができます。また、年間管理費が不要なプランも多く、長期的なコスト面でもメリットがあります。

💰 供養方法によるコスト比較:

  • 墓石を購入する必要がない
  • 区画面積が小さくて済む場合が多い
  • 永代供養型が多いため、将来的な管理の心配が少ない

好みの樹木や景色を選べる

樹木葬では墓標となる樹木を選択できるのが大きな特徴です。特にバラや桜の木の人気が高く、季節ごとに異なる表情を見せる自然の美しさを感じられます。好きな花や樹木がある場合は、その植物に対応した霊園を探すことで、故人の好みや個性を反映させることができます。

また、樹木葬は墓標だけでなく、埋葬される土地の景観でも選ばれることが多いです。特に海や山が見える霊園など、見晴らしの良い場所が人気を集めています。都会の喧騒から離れた自然豊かな環境で眠ることができるのは、樹木葬ならではの魅力です。

ペットと一緒に入れる施設もある

近年では、ペットと一緒に埋葬できる樹木葬霊園も増えています。家族の一員として共に過ごしたペットと最後まで一緒にいたいという願いに応える選択肢として注目されています。ただし、すべての樹木葬がペット対応しているわけではないため、希望する場合は事前に確認する必要があります。

ペット対応の樹木葬では、人間の遺骨とペットの遺骨を同じ区画内に埋葬することが可能です。費用は一般的な樹木葬と大きく変わらないケースが多いですが、施設によっては専用区画を用意している場合もあります。

永代供養が基本となっている

樹木葬のほとんどは永代供養の仕組みがセットになっています。最初は個別に納骨されても、定められた期間(13年、33年など)を過ぎると合葬される仕組みがほとんどです。個別埋葬型であっても永代供養の仕組みがセットになっていることが多いため、樹木葬に埋葬した後に改めて「墓じまい」をする必要はありません。

女性専用の樹木葬もある

「女性たちの共同墓」と呼ばれる女性専用の樹木葬も選択肢の一つです。独身の方や、様々な事情から「家の墓に入れない・入りたくない」と考える女性たちに向けた選択肢として人気があります。

🌸 女性専用の樹木葬の特徴:

  • 同じ価値観を持つ女性たちと共に眠れる安心感
  • 家族の墓とは別に、自分自身のための場所を持てる
  • 友人同士で同じお墓に入ることも可能

樹木葬を選ぶ際の注意点

樹木葬は自然志向の供養方法として人気が高まっていますが、選択する前に知っておくべき重要な注意点があります。以下の点を十分に理解した上で検討することをおすすめします。

散骨ではなく埋葬なので墓埋法が適用される

樹木葬は名前から「自然に還る」イメージがありますが、法律上は墓地埋葬法(墓埋法)が適用される正式な埋葬です。樹木葬とは、「墓地、埋葬等に関する法律」による許可を得た墓地(霊園)にご遺骨を埋葬し、ご遺骨の周辺にある樹木を墓標として故人を弔う方法です。墓標が墓石ではなく樹木になっただけで、本質的には通常のお墓と同じ扱いとなります。

⚠️ 重要なポイント:

  • 許可された墓地や霊園内でしか行えない
  • たとえ私有地であっても散骨や埋葬は許可を得なければ、法律違反となってしまいます
  • 自宅の庭に樹木葬したい場合も、墓地申請する必要があります(個人が埋葬許可を得るのは難しいのが現状)
  • 一度埋葬した後の取り扱いも墓埋法に則って行う必要がある

樹木葬の契約が完了しているからと勝手に埋葬を行うと、刑法第190条により死体遺棄となり、3年以下の懲役になる可能性があります。散骨との違いを理解せずに選ぶと、後で希望が叶わないことがあるため注意が必要です。

景観が季節や経年で変化する

樹木葬の魅力の一つは四季折々の自然の美しさにありますが、それは同時に景観が常に変化することを意味します。

🍂 変化の例:

  • 木は成長し、形が変わる
  • 季節によって葉が茂ったり落ちたりする
  • 花は咲く時期が限られている
  • 長期的には樹木の寿命や病気による枯れの可能性もある

墓石のように何十年も同じ姿を保つわけではないため、時期によって見た目が大きく変わることを理解しておきましょう。これを魅力と感じるか、不安と感じるかは個人の価値観によります。

個人で手入れやガーデニングはできない

樹木葬の墓標となる木や花は基本的に霊園の管理下にあります。

🚫 制限される内容:

  • 個人で好きなように手入れすることは原則として許可されていない
  • 花の種類や木の植え替えなど、自分の判断で変更できない
  • 周囲の景観との調和を考慮した管理が行われる

特に合祀型や集合型の樹木葬では、区画全体が一体的に管理されるため、個人の好みを反映させることは難しいでしょう。個別型であっても、霊園のルールや方針に従う必要があります。

家族や親族の理解を得る必要がある

樹木葬は1999年に始まってから約25年程度と比較的新しい供養方法です。現在では埋葬方法の約半数を占めるまでに普及しましたが、地域や世代によって理解度に差があります。

💬 想定される課題:

  • 親族や家族に理解されない可能性がある
  • 宗教的な慣習や伝統との整合性を求められることもある
  • 供養方法として認知度は上がっているが、地域によって浸透度に差がある

特に高齢の親族などには「お墓はやはり墓石」というイメージが強い場合があります。事前に家族や親族と十分に話し合い、理解を得ておくことでトラブルを避けられます。

料金改定のリスクを理解しておく

樹木葬市場は成熟期に入っており、料金の緩やかな上昇傾向が見られます。2025年10月に一部の霊園で平均10%程度の値上げが実施されている事例もあります。

📈 料金変動のポイント:

  • 石材費や人件費の高騰により、料金改定が行われる可能性がある
  • 契約時期が異なるだけで、総額が数万円から数十万円単位で変動するリスクがある
  • 新規施設の開設により、既存施設の価格やサービス内容が見直されることもある

そのため、興味のある施設の情報を得た場合は、契約前に必ず公式サイトで最新の料金、プラン内容、空き状況を確認することが重要です。可能であれば現地見学を通じて、最新情報を直接確認することをおすすめします。

樹木葬の種類とタイプ

樹木葬の費用に関するよくある質問

樹木葬で仏壇・位牌はどうすればいい?

樹木葬を選択した場合でも仏壇・仏具・位牌の扱いに特定の決まりはありません。位牌を残したい場合は、自宅の仏壇や菩提寺で管理することが一般的です。不要と判断した場合は、寺院でお焚き上げ・魂抜きの儀式をしてもらってから処分するのがマナーです。樹木葬は宗教を問わないケースが多いため、各家庭の考え方に合わせた対応が可能です。

樹木葬で土葬はできる?

樹木葬でも土葬は法的には可能ですが、実際には制限が多く、特別に許可された一部の地域・霊園でしか行うことができません。現代の日本では衛生上・土地利用の観点から火葬が一般的であり、土葬可能な樹木葬霊園を見つけることは非常に困難です。実質的には、樹木葬では火葬後の遺骨を埋葬するケースがほとんどです。

お参りやお供え物のルールは?

樹木葬でのお参りやお供え物は、通常の墓石型墓地とはルールが大きく異なります。里山型では自然環境保全のため線香やろうそくなどの火気使用が禁止されていることが多く、公園型・庭園型でも火気の使用制限や造花の持ち込み禁止などがあることが一般的です。合祀型では共同埋葬エリアのため、個別にお供え物を置けない場合があります。お参りの際は、霊園のルールを事前に確認しましょう。

戒名は必要?

樹木葬では戒名は必須ではありません。寺院が管理している樹木葬霊園では戒名をつけることができますが、民間霊園や公営の樹木葬は基本的に宗教不問で、戒名の有無は個人の選択に委ねられます。戒名をつける場合は別途戒名料(10万円〜30万円程度)がかかるため、費用面でも考慮すべき点です。

分割払いやローンは利用できる?

基本的に樹木葬の契約は一括払いが原則ですが、費用負担を軽減するための選択肢があります。霊園・業者によっては3回〜60回程度の分割払いに対応している場合があり、銀行の「墓地ローン」として通常3〜10年の返済期間でローンを組むことも可能です。審査条件は一般的なローン同様、年齢や収入、信用情報によって判断されます。

料金は今後変わる可能性がある?

はい、料金改定の可能性があります。2025年には一部の霊園で平均10%程度の値上げが実施されており、石材費や人件費の高騰により今後も緩やかな上昇傾向が続く可能性があります。契約を検討している場合は、関心のある施設の公式サイトで最新の料金を確認し、可能であれば現地見学を通じて直接確認することをおすすめします。

樹木葬の費用まとめ

樹木葬は「自然に還りたい」という願いと「継承者不要」というニーズから、現在では埋葬方法の約半数を占めるまでに普及しています。全国平均購入価格は67.8万円(2025年調査)ですが、埋葬方法(合祀型・集合型・個別型)や環境(里山型・公園型・庭園型)によって5万円から150万円以上と幅広い選択肢があります。

費用を抑えるには、合祀型を選ぶ、立地条件を見直す、個別安置期間を短くする、公営霊園を検討するなどの方法があります。ただし、料金改定の可能性もあるため、契約前には必ず最新の料金と空き状況を確認することが重要です。

樹木葬を選ぶ際は、費用だけでなく、アクセスの便、管理状況、参拝ルール、契約内容(年間管理費の有無、個別安置期間など)を総合的に判断しましょう。家族や親族との事前相談も大切です。興味がある方は、複数の霊園の資料請求や見学を通じて、実際の雰囲気を確かめることをおすすめします。

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