孤独死の葬儀費用は誰が払う?遺族・自治体の負担と引き取り拒否時の対応

キッチンテーブルで書類の山を見つめ、困惑して額に手を当てている40代後半の女性

突然、警察から「ご親族が亡くなりました」と連絡が入り、何年も会っていない親族の遺体を引き取ってほしいと言われる——。頭が真っ白になる中で、「葬儀費用は自分が払うの?」「そもそも引き取らなきゃダメなの?」という疑問が次々と浮かんでいませんか。

高齢化と単身世帯の増加により、孤独死は年々増加しています。しかし、孤独死の葬儀費用を誰が負担するのかは法律で明確に定められておらず、状況によって対応が大きく異なるのが実情です。

この記事では、墓地埋葬法や行旅死亡人取扱法などの法令に基づき、費用負担者の優先順位・引き取り拒否の可否・活用できる公的支援制度まで網羅的に解説します。

読み終える頃には、自分がどのような選択肢を取れるのか、その場合にいくらかかるのかが明確になり、冷静に判断できる状態になれるはずです。

結論から言えば、遺体の引き取り拒否は法的に可能です。ただし、相続放棄をしても費用請求を免れないケースがあります。まずは自分の状況に当てはまるパターンを確認していきましょう。

目次

孤独死の葬儀費用は誰が負担するのか

リビングルームでスマートフォンで電話を受け、不安そうな表情で胸に手を当てている40代後半の日本人女性。

孤独死の葬儀費用は、遺体を引き取る遺族がいるかどうか、また引き取り意思があるかどうかによって、負担者が変わります。

原則:遺族(喪主)が負担する

孤独死であっても、遺族が遺体を引き取る場合は、通常の死亡時と同様に喪主が葬儀費用を負担します。

喪主となる優先順位:

  • 故人の配偶者
  • 故人の子ども
  • 故人の親
  • 故人の兄弟姉妹
  • その他の親族

葬儀費用には、遺体の搬送費、火葬費用、葬儀社への支払いなどが含まれます。なお、葬儀費用の支払い義務は喪主にあり、他の相続人に法的な負担義務はありません。

遺族がいない・引き取り拒否の場合は自治体が対応

遺族がいない場合、または遺族が遺体の引き取りを拒否した場合は、死亡地の市区町村長が火葬を行うことが法律で定められています。

墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)第9条では、次のように規定されています。

死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。

この場合、自治体は最低限の火葬(直葬)のみを行い、通夜や告別式などの葬儀は実施しません。

費用負担の優先順位(法律上の規定)

自治体が火葬を行った場合、その費用は行旅病人及行旅死亡人取扱法に基づき、以下の順序で負担者が決まります。

優先順位負担者備考
1故人の遺留金品現金・預貯金・有価証券など
2相続人法定相続人に請求
3扶養義務者配偶者・直系血族・兄弟姉妹
4自治体上記で回収できない場合

相続人が相続放棄をした場合でも、扶養義務者として費用を請求される可能性がある点に注意が必要です。


孤独死が発見されてから葬儀までの流れ

孤独死は通常の死亡とは異なり、警察による検視が必要となるため、葬儀までに時間がかかります。

警察への通報と現場検証

孤独死を発見した場合、まず警察(110番)に通報します。明らかに死亡している場合や、異臭がする場合は救急車ではなく警察への連絡が適切です。

警察が到着すると、以下の手順で現場検証が行われます。

📋 現場検証の流れ:

  • 事件性の有無の確認
  • 遺体の状態・死因の推定
  • 身元確認のための調査
  • 貴重品・遺留品の確認

現場検証が終わるまで、遺族であっても現場に立ち入ることはできません。

検視・検案から遺体引き渡しまでの日数

孤独死の場合、遺体が引き渡されるまでに数日〜1ヶ月程度かかることがあります。

状況引き渡しまでの目安
事件性なし・身元判明数日〜1週間程度
司法解剖が必要な場合1〜2週間程度
DNA鑑定が必要な場合2週間〜1ヶ月程度

検視の結果、事件性がないと判断されれば、医師による死体検案書が作成され、遺体が遺族に引き渡されます。

身元確認にDNA鑑定が必要な場合

遺体の腐敗が進んでいる場合や、身分証明書がない場合は、DNA鑑定による身元確認が行われます。

DNA鑑定が必要になるケース:

  • 遺体の損傷・腐敗が激しい場合
  • 身分証明書が見つからない場合
  • 外見からの特定が困難な場合

DNA鑑定には数週間かかることがあり、鑑定費用は原則として遺族負担となります。

遺族への連絡と遺体の引き取り

身元が判明すると、警察から遺族へ連絡が入ります。連絡は血縁関係が近い順(配偶者→子→親→兄弟姉妹)に行われます。

遺族は警察署で以下の説明を受けた後、遺体を引き取ります。

📋 警察署での手続き:

  • 死亡状況の説明
  • 死体検案書の受け取り
  • 貴重品・鍵などの返却
  • 遺体の引き取り手続き

遺体の引き取り後は、葬儀社を手配して火葬の準備を進めます。

死亡届は誰が届け出るのか

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に市区町村役場へ届け出る必要があります。

届出人になれる人:

  • 親族
  • 同居者
  • 家主・地主・土地の管理人
  • 後見人・保佐人など

身寄りがない場合は、家主や自治体職員が届出人となることができます。死亡届が受理されると火葬許可証が発行され、火葬が可能になります。


孤独死の葬儀にかかる費用の内訳と相場

孤独死の場合、通常の葬儀費用に加えて、検案書作成費用や遺体保管料などが発生します。

検案書作成費用(3〜10万円)

孤独死の場合、病院ではなく警察で死因が調査されるため、死体検案書が作成されます。

項目費用相場
死体検案書作成費用3万〜10万円
司法解剖が行われた場合原則無料(公費負担)

死体検案書は死亡届の提出に必要な書類で、費用は遺族負担となります。

遺体搬送費用(1〜3万円)

警察署や解剖施設から安置場所への搬送費用です。

距離費用相場
10km以内1万〜1.5万円
10〜50km1.5万〜3万円
50km以上3万円〜(距離に応じて加算)

深夜・早朝の搬送は割増料金がかかることがあります。

遺体保管料(1日あたり約2,000円)

警察での検視期間中、遺体は葬儀社などの安置施設で保管されます。

項目費用相場
遺体保管料1日あたり2,000〜5,000円
ドライアイス代1日あたり5,000〜1万円

検視に時間がかかるほど、保管費用は増加します。

火葬費用(公営・民営の違い)

火葬費用は、公営火葬場と民営火葬場で大きく異なります。

火葬場市区町村民市区町村外
公営火葬場無料〜2万円程度3万〜6万円程度
民営火葬場5万〜15万円程度同額

故人の住民登録がある自治体の公営火葬場を利用すると、費用を抑えられます


孤独死の葬儀費用シミュレーション【状況別】

遺族の対応によって、葬儀費用の総額は大きく変わります。

ケース1:遺族が引き取り直葬を行う場合(10〜30万円)

通夜・告別式を行わず、火葬のみを行う「直葬」の場合の費用です。

項目費用
死体検案書3万〜10万円
遺体搬送1万〜3万円
安置・保管1万〜3万円
火葬費用無料〜6万円
骨壺・収骨1万〜3万円
葬儀社手数料3万〜5万円
合計10万〜30万円

直葬は費用を抑えられる一方、お別れの時間が限られるデメリットがあります。詳しくは一日葬と直葬の違いを比較した記事をご覧ください。

ケース2:遺族が引き取り家族葬を行う場合(50〜100万円)

近親者のみで通夜・告別式を行う「家族葬」の場合の費用です。

項目費用
死体検案書3万〜10万円
遺体搬送・安置3万〜10万円
葬儀一式(祭壇・棺・装飾)30万〜60万円
火葬費用無料〜6万円
飲食接待費5万〜15万円
僧侶へのお布施10万〜30万円
合計50万〜100万円

家族葬の費用相場について詳しくは家族葬の費用相場の記事で解説しています。

ケース3:引き取り拒否し自治体が火葬する場合

遺族が引き取りを拒否した場合、自治体が最低限の火葬を行います。

📋 自治体が負担する範囲:

  • 火葬費用
  • 最低限の搬送費
  • 遺骨の一時保管

火葬後、費用は故人の遺留金品から充当され、不足分は相続人・扶養義務者に請求されます。

ケース4:身寄りがなく行旅死亡人として処理される場合

身元不明または引き取り手がいない場合、行旅死亡人として自治体が対応します。

📋 行旅死亡人の場合の流れ:

  • 自治体が直葬(火葬のみ)を実施
  • 遺骨は一定期間(約5年)自治体が保管
  • 引き取り手が現れない場合は無縁塚へ埋葬

費用は故人の遺留金品から充当され、最終的に回収できない分は自治体が負担します。


火葬のみ(直葬)を選ぶ場合の注意点

孤独死の場合、費用や遺体の状態から直葬を選択するケースが多くあります。

直葬のメリット:費用を抑えられる

直葬の最大のメリットは、葬儀費用を大幅に抑えられる点です。

葬儀形式費用相場
直葬10万〜30万円
一日葬30万〜50万円
家族葬50万〜100万円
一般葬100万〜200万円

通夜・告別式を行わないため、祭壇費用や会場費、飲食費などが不要になります。

直葬のデメリット:お別れの機会がない

直葬には以下のようなデメリットもあります。

⚠️ 直葬の注意点:

  • 故人とゆっくりお別れする時間がない
  • 親族・知人が参列できない
  • 後から「葬儀をすればよかった」と後悔する人もいる
  • 菩提寺がある場合、納骨を拒否される可能性がある

特に、故人と長年疎遠だった場合でも、最後のお別れができないことへの後悔を感じる遺族もいます。

葬祭費が支給されない場合がある

国民健康保険などの「葬祭費」は、葬儀を行った場合に支給される制度です。

⚠️ 注意点:

  • 自治体によっては、火葬のみの場合は葬祭費の支給対象外となる
  • 事前に自治体の窓口で確認することが重要

葬祭費の詳しい申請方法は葬祭費・埋葬料の申請方法の記事で解説しています。


遺体・遺骨の引き取りを拒否する場合

家庭の事情や経済的な理由から、遺体の引き取りを拒否したい場合もあるでしょう。

引き取り拒否は法的に可能

遺体の引き取りは法的な義務ではありません。遺族であっても、引き取りを拒否することは可能です。

引き取り拒否が認められる主な理由:

  • 故人と長年疎遠だった
  • 経済的に葬儀費用を負担できない
  • 故人から虐待・暴力を受けていた
  • 心理的に引き取りが困難

警察から連絡があった際に、引き取り拒否の意思を伝えれば、それ以上強制されることはありません。

引き取り拒否の具体的な手順と伝え方

引き取り拒否をする場合は、以下の流れで対応します。

📋 引き取り拒否の手順:

  • 警察からの連絡時に「引き取りできない」旨を伝える
  • 必要に応じて書面で意思表示する
  • 自治体からの連絡にも同様に対応する

伝え方は「諸般の事情により、遺体の引き取りはできません」など、理由を詳しく説明する必要はありません。

引き取り拒否後の遺体・遺骨の扱い

引き取り拒否された遺体は、以下の流れで処理されます。

📋 引き取り拒否後の流れ:

  • 自治体が火葬を実施(直葬)
  • 遺骨は自治体が一定期間(約3〜5年)保管
  • 引き取り手が現れない場合は無縁塚へ合葬

なお、関東圏では民営火葬場が多く、火葬後の遺骨引き取り拒否が難しい場合がある点に注意が必要です。

引き取り拒否しても費用請求される可能性

引き取りを拒否しても、相続人または扶養義務者として火葬費用を請求される可能性があります。

費用請求のパターン:

  • 故人の遺留金品で不足した場合 → 相続人に請求
  • 相続放棄した場合 → 扶養義務者に請求

請求を避けるためには、相続放棄の手続きを行う必要がありますが、扶養義務者としての請求は免れない場合があります。


身寄りがない場合の自治体の対応

故人に身寄りがない場合、または遺族が見つからない場合は、自治体が対応します。

行旅死亡人として自治体が火葬を実施

身元不明または引き取り手がいない遺体は、行旅死亡人として自治体が火葬を行います。

行旅病人及行旅死亡人取扱法に基づき、死亡地の市区町村長が以下を実施します。

📋 自治体の対応:

  • 遺体の火葬(直葬形式)
  • 遺留品の保管・売却
  • 官報への公告(身元不明の場合)

葬儀は行われず、最低限の火葬のみが実施されます。

遺骨は無縁塚へ埋葬される

引き取り手がいない遺骨は、以下の流れで処理されます。

📋 遺骨の扱い:

  • 自治体が約5年間保管
  • 保管期間中に引き取り手が現れれば引き渡し
  • 現れない場合は無縁塚(合葬墓)へ埋葬

無縁塚に埋葬されると、後から遺骨を取り出すことはできません

費用は故人の財産から充当される

自治体が火葬を行った場合の費用は、以下の順序で処理されます。

📋 費用充当の順序:

  • まず故人の遺留金銭・有価証券から充当
  • 不足する場合は遺留物品を売却して充当
  • それでも不足する場合は相続人に請求
  • 相続人が支払えない場合は扶養義務者に請求
  • 最終的に回収できない分は自治体が負担

相続放棄と葬儀費用の関係

遺体の引き取り拒否と相続放棄は、法律上は別の問題として扱われます。

遺体引き取り拒否と相続放棄は別問題

遺体の引き取りを拒否しても、相続放棄をしたことにはなりません

行為法的効果
遺体引き取り拒否相続権に影響なし
相続放棄相続人の地位を失う

遺体を引き取らなくても、相続手続きは必要です。故人に借金がある場合、相続放棄をしなければ債務を引き継ぐことになります。

相続放棄しても扶養義務者として請求される場合

相続放棄をしても、扶養義務者としての立場は消えません

扶養義務者の範囲:

  • 配偶者
  • 直系血族(親・子・孫など)
  • 兄弟姉妹

自治体が火葬費用を立て替えた場合、相続放棄をしていても、扶養義務者として費用を請求される可能性があります。

相続放棄の手続きと期限(3ヶ月以内)

相続放棄をする場合は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。

📋 相続放棄の手順:

  • 故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述
  • 必要書類(戸籍謄本など)を提出
  • 家庭裁判所の審理を経て受理

期限を過ぎると相続放棄ができなくなり、故人の借金を含む全ての財産を相続することになります。

遺品整理で相続承認とみなされるリスク

相続放棄を検討している場合、遺品整理のタイミングに注意が必要です。

⚠️ 相続承認とみなされる行為:

  • 故人の財産を処分・売却する
  • 故人の預金を引き出して使う
  • 価値のある遺品を持ち帰る

ただし、遺体の腐敗により近隣に迷惑がかかる場合など、やむを得ない状況での特殊清掃は相続承認とみなされないケースもあります。判断に迷う場合は、弁護士に相談することをおすすめします。


賃貸物件で孤独死が発生した場合の費用負担

賃貸物件での孤独死は、遺族に追加の費用負担が発生する可能性があります。

大家・管理会社から請求される可能性のある費用

賃貸物件で孤独死が発生した場合、遺族は以下の費用を請求されることがあります。

費用項目概要
原状回復費用部屋を元の状態に戻す費用
特殊清掃費用体液・臭気の除去費用
残置物撤去費用遺品・家財の処分費用
空室損害次の入居者が決まるまでの家賃相当額
家賃減額損害事故物件として家賃を下げた差額

全ての費用が認められるわけではありませんが、請求される可能性があることは理解しておく必要があります。

原状回復費用と損害賠償の相場

原状回復費用は、遺体の状態や発見までの期間によって大きく異なります。

状況費用相場
発見が早く汚染が軽度5万〜20万円
発見が遅れ汚染が中程度20万〜50万円
腐敗が進行し大規模な汚染50万〜100万円以上

損害賠償については、裁判例では1〜3年分の家賃相当額が認められるケースがあります。

孤独死保険(少額短期保険)の活用

孤独死による損害に備えた保険商品があります。

📋 孤独死保険の特徴:

  • 入居者・大家のどちらも加入可能
  • 原状回復費用・遺品整理費用をカバー
  • 月額数百円〜数千円程度

高齢の一人暮らしの場合、事前に加入を検討しておくと、万が一の際に遺族の負担を軽減できます。


持ち家で孤独死が発生した場合の対応

持ち家で孤独死が発生した場合、不動産の扱いについても考慮が必要です。

不動産は事故物件扱いになるのか

孤独死があった物件が「事故物件」に該当するかは、状況によって判断が分かれます。

状況事故物件該当の可能性
発見が早く、自然死と判断該当しないケースが多い
発見が遅れ、腐敗が進行該当する可能性あり
自殺・他殺該当する

2021年に国土交通省が策定した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、自然死や日常生活での不慮の死は原則として告知義務なしとされています。

相続後の売却・処分の流れ

持ち家を相続した場合の処分の流れは以下のとおりです。

📋 持ち家の処分手順:

  • 相続登記を行う(2024年4月から義務化)
  • 特殊清掃・遺品整理を実施
  • 不動産会社に査定を依頼
  • 売却活動を行う

相続登記は、相続を知った日から3年以内に行う必要があります。


特殊清掃・遺品整理の費用と負担者

孤独死の現場では、特殊清掃が必要になることがあります。

特殊清掃が必要になる判断基準

以下のような場合、通常の清掃では対応できず、特殊清掃が必要になります。

⚠️ 特殊清掃が必要なケース:

  • 遺体の発見が遅れ、腐敗が進行している
  • 体液が床や壁に染み込んでいる
  • 強い臭気が残っている
  • ハエやウジなどの害虫が発生している

季節によって腐敗の進行速度は異なり、夏場は死後数日で急速に腐敗が進むことがあります。

特殊清掃の費用相場(8〜70万円)

特殊清掃の費用は、汚染の程度や部屋の広さによって大きく異なります。

汚染レベル費用相場
軽度(一部の清掃・消臭)8万〜20万円
中度(床・壁の清掃・消臭)20万〜40万円
重度(床材撤去・大規模消臭)40万〜70万円以上

特殊清掃費用は、原則として相続人または賃貸物件の連帯保証人が負担します。

遺品整理の費用相場と業者選びのポイント

遺品整理の費用は、部屋の広さと物量によって決まります。

間取り費用相場
1R・1K3万〜10万円
1DK・1LDK5万〜20万円
2DK・2LDK10万〜30万円
3DK以上20万〜50万円以上

📋 業者選びのポイント:

  • 事前に現地見積もりを取る
  • 追加料金の有無を確認する
  • 遺品整理士の資格を持つ業者を選ぶ
  • 複数社から見積もりを取り比較する

孤独死の葬儀費用に使える公的支援制度

葬儀費用の負担を軽減できる公的支援制度があります。

葬祭扶助制度(生活保護受給者向け)

葬祭扶助は、経済的に困窮している人が最低限の葬儀を行えるよう支援する制度です。

📋 葬祭扶助の対象者:

  • 喪主が生活保護受給者で葬儀費用を払えない場合
  • 故人が生活保護受給者で身寄りがない場合

支給額は厚生労働省の基準で定められています。

対象支給上限額(1級地・2級地)
大人(12歳以上)21万5,000円以内
子供(12歳未満)17万2,000円以内

⚠️ 重要: 葬祭扶助は必ず葬儀を行う前に申請する必要があります。葬儀後の申請は認められません。

国民健康保険の葬祭費(3〜7万円)

国民健康保険または後期高齢者医療制度の加入者が亡くなった場合、葬儀を行った人に葬祭費が支給されます。

項目内容
支給額3万〜7万円(自治体により異なる)
申請先市区町村の国保窓口
申請期限葬儀を行った日の翌日から2年以内

詳しい申請方法は葬祭費・埋葬料の申請方法の記事で解説しています。

健康保険の埋葬料・家族埋葬料(5万円)

故人が会社員として健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に加入していた場合、埋葬料が支給されます。

項目内容
支給額一律5万円
申請先故人が加入していた健康保険組合
申請期限死亡日の翌日から2年以内

健康保険組合によっては、付加給付として追加の支給がある場合もあります。

葬儀費用の工面に困っている場合は、葬儀費用が払えない時の対処法の記事も参考にしてください。


孤独死に備える生前準備

将来の孤独死リスクに備えて、生前にできる準備があります。

終活・エンディングノートで葬儀の希望を残す

エンディングノートに葬儀の希望や連絡先を記載しておくと、万が一の際に遺族や関係者の負担を軽減できます。

📋 記載しておくべき内容:

  • 緊急連絡先(親族・友人)
  • 葬儀の形式の希望(直葬・家族葬など)
  • 宗教・宗派の希望
  • 財産・借金の情報
  • 各種契約情報(保険・年金など)

おひとり様の終活について詳しくはおひとり様の身じまいの記事で解説しています。

生前契約・事前相談で費用を準備しておく

葬儀社との生前契約を結んでおくと、自分の希望する葬儀を確実に行ってもらえます。

📋 生前契約のメリット:

  • 葬儀内容を自分で決められる
  • 費用を事前に確定できる
  • 遺族の負担を軽減できる
  • 身寄りがなくても葬儀が行われる

費用は前払いまたは保険・信託を活用して準備しておきます。

見守りサービスの活用で早期発見につなげる

孤独死を防ぐ、または早期発見につなげるためのサービスがあります。

📋 見守りサービスの種類:

  • 電話・訪問による定期的な安否確認
  • センサーによる生活動線の見守り
  • 電気・ガスの使用状況による見守り
  • 緊急通報システム

早期発見できれば、遺体の損傷が抑えられ、特殊清掃費用などの負担も軽減されます。


よくある質問

孤独死の葬儀は自治体が行うのですか?

遺族がいて引き取る場合は、自治体ではなく遺族が葬儀を行います。遺族がいない場合や引き取り拒否した場合のみ、自治体が最低限の火葬を行います。

孤独死が発見されてから葬儀まで何日かかりますか?

事件性がなく身元が判明している場合は数日〜1週間程度です。DNA鑑定が必要な場合は2週間〜1ヶ月程度かかることがあります。

孤独死した遺体の引き取りを拒否できますか?

はい、法的に拒否は可能です。警察や自治体に引き取りできない旨を伝えれば、自治体が火葬を行います。ただし、後から費用を請求される可能性はあります。

相続放棄すれば葬儀費用を払わなくて済みますか?

相続放棄をしても、扶養義務者(配偶者・直系血族・兄弟姉妹)として費用を請求される可能性があります。相続放棄で免れるのは「相続人」としての費用負担のみです。

孤独死の警察による検視費用は誰が払いますか?

死体検案書の作成費用(3〜10万円程度)は遺族負担です。司法解剖が行われた場合の解剖費用は公費(国)が負担します。

孤独死した遺体は死後どのくらいで腐敗しますか?

季節や室温によって異なりますが、夏場は死後2〜3日、冬場でも1週間程度で腐敗が進行します。高温多湿の環境では、より早く腐敗が始まります。

腐敗が進んだ遺体でも葬儀はできますか?

可能ですが、遺体の状態によっては対面でのお別れが難しい場合があります。衛生上の理由から、早期の火葬が推奨されるケースもあります。

孤独死の片付け費用は誰が払いますか?

特殊清掃・遺品整理の費用は、原則として相続人が負担します。賃貸物件の場合は、連帯保証人に請求されることもあります。

遺骨の引き取りだけ拒否することはできますか?

火葬後の遺骨についても引き取り拒否は可能です。引き取りを拒否した遺骨は、自治体が一定期間保管した後、無縁塚に合葬されます。

まとめ

孤独死の葬儀費用は、原則として遺体を引き取った遺族(喪主)が負担します。遺族がいない場合や引き取りを拒否した場合は、自治体が火葬を行い、費用は故人の財産→相続人→扶養義務者の順で請求されます。

遺体の引き取り拒否は法的に可能ですが、相続放棄をしても扶養義務者として費用を請求される可能性があります。引き取りを拒否するかどうかは、経済的な面だけでなく、心情面も含めて慎重に判断することが大切です。

葬儀費用の負担が難しい場合は、葬祭扶助制度や健康保険の葬祭費・埋葬料などの公的支援を活用しましょう。また、将来の孤独死リスクに備えて、エンディングノートの作成や見守りサービスの利用を検討することをおすすめします。


【参考情報】

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