「病院で紹介された葬儀社に搬送を頼んだけど、見積もりが想像以上に高い…」「互助会に入っているけど、別の葬儀社にお願いしたい」——そんな悩みを抱えていませんか。
結論から言えば、葬儀社は途中でも変更できます。ただし、変更のタイミングによって手続きやキャンセル料が異なるため、事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、葬儀社を変更できるタイミングと期限、キャンセル料の相場、互助会からの乗り換え方法まで、実際に変更を検討している方が知っておくべき情報を網羅的に解説します。
葬儀社を変更できるタイミングと期限
葬儀社の変更は、火葬場・式場の予約が確定する前であれば基本的に可能です。ただし、タイミングが遅くなるほど手続きが複雑になり、費用負担も増える傾向にあります。
変更可能な4つのタイミング
葬儀社を変更できるタイミングは、大きく4つの段階に分けられます。
| タイミング | 変更のしやすさ | キャンセル費用の目安 |
|---|---|---|
| 搬送依頼前 | ◎ 最も容易 | なし |
| 搬送後・安置中 | ○ 比較的容易 | 2〜6万円程度 |
| 見積もり提示後 | △ 交渉が必要 | 実費+α |
| 契約書サイン後 | △ 条件次第 | 契約内容による |
搬送依頼前であれば、費用は一切かかりません。病院から葬儀社を紹介されても、その場で決める義務はないため、「家族と相談してから連絡します」と伝えて問題ありません。
変更が難しくなるタイムリミット
変更が困難になるのは、以下のタイミングです。
⚠️ 変更が難しくなる状況:
- 火葬場・式場の予約が確定した後
- 通夜の当日(または前日夜)
- 葬儀に必要な物品(祭壇・棺など)の手配が完了した後
特に火葬場の予約は、一度キャンセルすると同じ日時で再予約できない可能性があります。都市部では火葬場の予約が取りにくい状況が続いているため、変更を決断するなら予約確定前に行動することが重要です。
見積書へのサイン前後で変わる対応
見積書への対応によって、変更時の交渉難易度が変わります。
📋 見積書サイン前:
- 葬儀社との契約は未成立
- 搬送・安置の実費のみ精算すれば変更可能
- キャンセル料を請求される法的根拠は薄い
📋 見積書サイン後:
- 契約が成立したとみなされる可能性あり
- キャンセル料が発生する場合がある
- 契約書の内容を確認し、解約条件を把握する必要がある
見積書を受け取った段階で不安がある場合は、サインする前に他社の見積もりを取ることをおすすめします。
葬儀社の変更が可能なタイミング別の手順
搬送を依頼する前
搬送前であれば、何も費用をかけずに葬儀社を自由に選べます。病院から葬儀社を紹介されても、利用は任意です。
🔷 対応の流れ:
- 病院から紹介された場合は「検討します」と伝える
- 希望する葬儀社に連絡し、搬送を依頼する
- 紹介された葬儀社には「他社にお願いすることにしました」と連絡
病院と葬儀社は紹介関係にあるだけで、利用を強制されることはありません。断っても病院側に迷惑がかかることはないため、遠慮なく希望の葬儀社を選びましょう。
事前に葬儀社を検討しておきたい方は、家族が病院で亡くなったらすぐにすべきことも参考にしてください。
搬送後・安置中(葬儀契約前)
搬送後であっても、葬儀の契約前であれば変更は可能です。この段階では、搬送料と安置料のみを精算すれば、新しい葬儀社に依頼できます。
🔷 対応の流れ:
- 新しい葬儀社に連絡し、変更の相談をする
- 現在の葬儀社に変更の意向を伝える
- 搬送料・安置料など実費を精算する
- 新しい葬儀社が遺体を引き取り、手続きを引き継ぐ
病院紹介の葬儀社を断る方法と伝え方の例
病院から紹介された葬儀社を断る際は、シンプルに伝えれば問題ありません。
💬 伝え方の例:
- 「家族で相談した結果、別の葬儀社にお願いすることになりました」
- 「知人の紹介で他社に依頼することにしました」
- 「予算の都合で、他のプランを検討することにしました」
理由を詳しく説明する義務はありません。断った後も、搬送・安置にかかった実費は支払う必要がありますが、それ以上の費用を請求される筋合いはありません。
見積もり・契約後
見積もりを受け取った後、または契約書にサインした後でも、変更できる可能性はあります。ただし、契約内容や進行状況によって対応が異なるため、慎重に進める必要があります。
契約書サイン後のキャンセル手続き
契約後にキャンセルする場合は、以下の手順で進めます。
🔷 対応の流れ:
- 契約書のキャンセル条項を確認する
- 葬儀社にキャンセルの意向を伝える
- キャンセル料・精算金額を書面で確認する
- 納得できない場合は交渉または消費者センターに相談
契約書にキャンセル料の記載がない場合や、説明なく高額なキャンセル料を請求された場合は、支払い義務が生じない可能性があります。
葬儀社を変更すべきか判断するポイント
変更を迷っている場合は、以下の判断基準を参考にしてください。
変更を検討すべき危険サイン
以下のような状況であれば、葬儀社の変更を前向きに検討すべきです。
⚠️ 変更を検討すべきケース:
- 見積もりが相場より大幅に高い(一般葬で150万円以上、家族葬で100万円以上など)
- 追加費用の説明が曖昧、または「後から決めましょう」と濁される
- 質問への回答が遅い、連絡がつきにくい
- 担当者の態度が高圧的、または不誠実に感じる
- プランの変更や要望を聞き入れてもらえない
特に見積もりの内訳が不明確な場合は要注意です。葬儀費用のトラブルの多くは、見積もり段階での説明不足が原因となっています。
見積もりの適正価格を知りたい方は、葬儀費用が高すぎる?ぼったくり被害を防ぐ方法で相場と比較してみてください。
変更しない方がよいケース
一方で、以下のような場合は変更しない方が無難です。
✅ 変更を避けた方がよいケース:
- 不満が軽微(担当者の言葉遣いが気になる程度など)
- 火葬場・式場の予約が確定しており、日程変更が困難
- 通夜まで時間がなく、新しい葬儀社を探す余裕がない
- 変更による精神的・時間的負担が大きすぎる
葬儀は限られた時間の中で進行するため、変更にかかる労力と得られるメリットを天秤にかけて判断することが大切です。
葬儀社を変更する際のキャンセル料の目安
搬送・安置のみの場合の費用相場
搬送と安置のみを依頼した段階でキャンセルする場合、実費として2万〜6万円程度の支払いが一般的です。
💰 費用の内訳例:
- 搬送料:1万〜2万円(距離による)
- 安置料:1日あたり5,000〜1万円
- ドライアイス代:1日あたり5,000〜1万円
例えば、搬送後に2日間安置した場合、合計で3万〜5万円程度の精算となるケースが多いです。
この金額は「キャンセル料」ではなく、実際に発生したサービスの対価です。葬儀社によっては高額なキャンセル料を請求するケースもありますが、実費を大幅に超える請求には応じる必要はありません。
葬儀契約後のキャンセル料
契約後のキャンセル料は、契約内容と進行状況によって大きく異なります。
| 状況 | キャンセル料の目安 |
|---|---|
| 契約直後(準備未着手) | 実費のみ〜数万円 |
| 物品手配後 | 実費+手配費用 |
| 式場・火葬場予約後 | 予約キャンセル料が加算される場合あり |
契約書にキャンセル料の規定がある場合は、その内容に従うことになります。ただし、あまりに高額なキャンセル料は無効となる可能性があります。
キャンセル料が高額な場合の対処法
想定以上のキャンセル料を請求された場合は、以下の対応を検討してください。
減額交渉の方法
まずは葬儀社と直接交渉します。
💬 交渉のポイント:
- 請求金額の内訳を書面で確認する
- 実費として発生していない費用があれば指摘する
- 「連絡の遅れで安置日数が増えた」など、葬儀社側の問題があれば主張する
交渉次第で、安置料の一部が減額されるケースもあります。
消費者センターへの相談
交渉がうまくいかない場合は、**消費者ホットライン(188)**に相談しましょう。
📞 消費者ホットライン:
- 電話番号:188(いやや)
- 相談料:無料(通話料は有料)
- 受付:土日祝日も対応(年末年始除く)
消費者センターでは、専門の相談員が事業者との交渉のあっせんや、適切な対応についてのアドバイスを行っています。
事前契約・互助会からの葬儀社変更
互助会の解約手続きと手数料
互助会に加入している場合、解約して別の葬儀社を利用することは可能です。ただし、解約手数料がかかる点に注意が必要です。
解約手数料の相場:積立金の20〜30%程度
互助会の解約手数料は、積立金額の20〜30%程度が一般的です。
| 積立金額 | 解約手数料の目安 | 返金額の目安 |
|---|---|---|
| 24万円 | 3.5万〜7万円 | 17万〜20.5万円 |
| 30万円 | 5万〜9万円 | 21万〜25万円 |
| 50万円 | 8万〜15万円 | 35万〜42万円 |
手数料率は互助会によって異なり、積立期間が短いほど手数料率が高くなる傾向があります。
解約に必要な書類と手続きの流れ
🔷 解約の手順:
- 互助会に連絡し、解約の意向を伝える
- 解約書類を郵送または窓口で受け取る
- 必要書類(会員証、印鑑、本人確認書類など)を準備
- 解約書類を提出
- 返金(45日以内が目安)
解約手続きは本人以外でも可能ですが、委任状が必要になる場合があります。
互助会のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、互助会は本当に必要ない?やばいと言われる理由をご覧ください。
葬儀社の事前予約・積立サービスの解約
互助会以外にも、葬儀社独自の事前予約サービスや積立プランがあります。これらの解約条件は、契約内容によって異なります。
📋 確認すべきポイント:
- 解約手数料の有無と金額
- 返金までの期間
- 積立金の利息の有無(多くの場合、利息はつかない)
契約書や約款に解約条件が記載されているため、事前に確認しておきましょう。
クーリングオフが適用されるケース
互助会や事前契約には、クーリングオフが適用される場合があります。
✅ クーリングオフが使える条件:
- 契約日から8日以内
- 葬儀サービスをまだ利用していない
クーリングオフが適用されれば、解約手数料なしで全額返金を受けられます。契約後に「やっぱりやめたい」と思った場合は、8日以内に書面で通知しましょう。
オンライン葬儀サービスへの乗り換え方法
近年は、小さなお葬式のようなオンライン葬儀サービスへの乗り換えを検討する方も増えています。
🔷 乗り換えの流れ:
- 現在の契約(互助会など)の解約手続きを進める
- 乗り換え先のサービスに資料請求・会員登録
- 必要に応じて事前相談を行う
一部のオンライン葬儀サービスでは、互助会からの乗り換え特典を用意している場合もあります。
葬儀社を変更する際の注意点
式場・火葬場の予約が引き継げない可能性
葬儀社を変更すると、すでに予約していた式場・火葬場の予約がキャンセルされる可能性があります。
新しい葬儀社が同じ日時で予約を取り直せる保証はないため、葬儀の日程が変わるリスクがあることを理解しておきましょう。
遺体の安置場所による制約
遺体を葬儀社の安置施設に預けている場合、心理的に断りづらくなることがあります。
自宅安置が難しい方は、変更の可能性を考慮して、最初から信頼できる葬儀社を選ぶか、公営の安置施設を利用することを検討してください。
変更によるスケジュールへの影響
葬儀社の変更には、以下のような時間がかかります。
⏰ 必要な時間の目安:
- 新しい葬儀社への相談・見積もり:数時間〜半日
- 現在の葬儀社との精算・引き継ぎ:半日〜1日
- 式場・火葬場の再予約:状況による
変更を決断するなら、できるだけ早い段階で行動することが重要です。
葬儀社の変更でトラブルを避けるポイント
変更前に新しい葬儀社へ相談する
変更を決める前に、必ず新しい葬儀社に相談してください。
📋 確認すべきこと:
- 現在の状況で引き受けてもらえるか
- 希望の日程で式場・火葬場の予約が取れるか
- 見積もり金額と内訳
新しい葬儀社が決まってから、現在の葬儀社にキャンセルを伝える方がスムーズです。
複数の葬儀社を比較したい場合は、葬儀の見積もり比較完全ガイドも参考にしてください。
キャンセル料・精算内容を書面で確認する
キャンセル時の精算は、必ず書面で内訳を確認してください。
📋 確認すべき項目:
- 搬送料
- 安置料(日数×単価)
- ドライアイス代
- その他の実費
- キャンセル料(契約がある場合)
口頭での説明だけで支払いに応じると、後からトラブルになる可能性があります。
事前準備で変更リスクを減らす方法
そもそも葬儀社の変更が必要にならないよう、事前に準備しておくことが最も重要です。
✅ 事前にできること:
- 複数の葬儀社から見積もりを取っておく
- 希望する葬儀の形式・予算を家族で共有する
- 信頼できる葬儀社を1〜2社ピックアップしておく
緊急時に慌てて決めると、後悔につながりやすくなります。時間に余裕があるうちに、情報収集を進めておきましょう。
変更後の葬儀社選びで押さえるポイント
葬儀社を変更した後、新しい葬儀社を選ぶ際は以下のポイントを確認してください。
✅ チェックポイント:
- 見積もりの内訳が明確で、追加費用の説明がある
- 質問への回答が早く、対応が丁寧
- 希望するプラン・形式に対応している
- 口コミや評判を確認できる
- 契約を急かさず、検討する時間をくれる
「安さ」だけで選ぶと、サービスの質で後悔することがあります。価格と対応のバランスを見て判断しましょう。
よくある質問
- 病院から紹介された葬儀社を断っても失礼になりませんか?
-
失礼にはなりません。病院と葬儀社は紹介関係にあるだけで、利用は任意です。「検討したい」「家族と相談したい」と伝えれば問題ありません。
- 葬儀の途中で葬儀社を変更することはできますか?
-
通夜や告別式が始まった後の変更は現実的に困難です。変更するなら、遅くとも式場・火葬場の予約確定前に決断する必要があります。
- 互助会を解約せずに他の葬儀社を利用できますか?
-
互助会の権利を残したまま他社を利用することは基本的にできません。他社で葬儀を行う場合は、互助会の解約手続きが必要です。
- キャンセル料の支払いを拒否できるケースはありますか?
-
契約書にサインしておらず、葬儀社側に問題(説明不足、虚偽説明など)がある場合は、支払い義務が生じない可能性があります。納得できない場合は消費者ホットライン(188)に相談しましょう。
- 変更を伝えるとき、何と言えばよいですか?
-
「家族で相談した結果、別の葬儀社にお願いすることになりました。これまでの費用を精算させてください」と伝えれば十分です。理由を詳しく説明する義務はありません。
まとめ
葬儀社の変更は、火葬場・式場の予約確定前であれば可能です。変更を検討する際は、タイミングと費用を把握した上で判断しましょう。
📌 押さえておきたいポイント:
- 搬送・安置のみのキャンセル費用は2万〜6万円程度が目安
- 互助会の解約手数料は積立金の20〜30%程度
- 変更を決めたら、先に新しい葬儀社に相談してから現在の葬儀社に連絡
- キャンセル料・精算内容は必ず書面で確認
- 高額請求や不当な対応を受けた場合は**消費者ホットライン(188)**へ相談
葬儀は大切な方を送る一度きりの機会です。納得のいく葬儀社を選び、後悔のないお別れができるよう、必要であれば変更も選択肢に入れて検討してください。
【参考情報】

